第1471回 諸聖人の休暇の風物詩、BNPパリバ・マスターズ(3) 決勝進出を逃したフランス勢

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■波乱が続き、上位シードが姿を消す

 ベスト8に3人が進出した今年のBNPパリバ・マスターズ、昨年の8強進出はジョー・ウィルフリード・ツォンガ1人であり、フランス勢の大躍進を地元ファンは歓喜した。さらに、今回は第1シードのロジャー・フェデラーが欠場しただけではなく、上位シード陣が総崩れとなり、ベスト8のうちシード選手は8人だけとなった。春のローラン・ギャロスも波乱が起こり、赤土の下に魔物が棲んでいると言われるが、このベルシーも完成してから30年近くたち、欧州の大都市にある体育館としてはかなり古いものになってしまった。オペラ座の怪人ならぬ、ベルシーの怪人が潜んでいるのかもしれない。

■ミカエル・ロドラとジル・シモンが準決勝に進出

 さて、8人の顔ぶれであるが、シード選手は第4シードのダビド・フェレール(スペイン)、第5シードのトマシュ・ベルディヒ(チェコ)、第8シードのヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)、そして第6シードのツォンガである。残りノーシードの4人はフランスからミカエル・ロドラ(主催者推薦)とジル・シモン、米国のサム・クエリー、予選勝ち上がり組のポーランドのジェルジー・ヤノビッツというメンバーである。
 準々決勝は11月2日に行われ、第1試合でシモンがベルディヒと対戦する。シモンにとってはこの大会で初めての格上の選手との対戦となるが、ストレートで勝利し、フランス勢は幸先良いスタートを切る。
 第2試合はこの日唯一フランス勢が絡まない試合、予選勝ち上がりのヤノビッツはティプサレビッチ相手に第1セット落としたものの、第2セットをタイブレイクでものにし、第3セットで4-1とリードした時点でティプサレビッチが棄権を申し入れ、ヤノビッツが準決勝に進出する。第3試合はフランスのエース、ツォンガの登場である。昨年のファイナリストであり、優勝を目指すツォンガであったが、フェレールが安定したプレーでサービスゲームをキープ、2-6、5-7とストレートで敗れてしまう。
 ツォンガ敗退でため息の漏れるベルシーであったが夜が深まって登場したのがベテランのロドラである。2回戦で第2シードのノバック・ジョコビッチ(セルビア)、3回戦で第14シードのミロス・ラオニッチ(カナダ)を下したクエリーが相手であり、シード2選手を倒した選手同士の対戦となった。第1セットからタイブレイクになり、ロドラが第1セットを奪う。第2セットもロドラが連取し、準決勝に進出した。

■予選勝ち上がり組のジェルジー・ヤノビッツに敗れたシモン

 準決勝には半数の2人がフランス勢であり、しかも直接対決ではない。バカンスもあと2日となったパリジャンの楽しみはベルシーにある。準決勝第1試合に登場したのはシモンである。相手は予選勝ち上がりで初めてマスターズシリーズの本戦に初めて出場した世界ランキング69位のヤノビッツである。地元ファンの声援を受けるシモン、急成長した21歳のヤノビッツの戦いは、ヤノビッツの勢いが勝り、6-4、7-5とヤノビッツがストレート勝ちし、シモンの決勝進出はならなかった。

■ランキング121位でダビデ・フェレールに挑戦したロドラ

 第2試合はこのベスト8が決まった時点で優勝候補最右翼と目されたフェレールにフランスのベテラン選手ロドラが挑戦する。ダブルスプレーヤーのロドラは、シングルスでは最高21位まで上昇したことがあるが、現在のランキングは121位、もし100位以下の選手が決勝に進出すれば快挙である。第1試合で予選勝ち上がりのヤノビッツが決勝に進出したのに続き、快挙が生まれるかと誰しもが期待したが、さすがフェレールである。第1セットの終盤での度重なるブレイクポイントをしのぎ、7-5と競り合いに勝ったのがフェレールであった。第1セットは接戦であったが、第2セットに入るとロドラの疲労の色濃く、あっさりとフェレールが第2セットを奪う。
 結局フランス勢は5年連続の決勝進出はならず、決勝はフェレールが屋のビッチを下して優勝するが、この短いバカンスを今年もパリジャンはベルシーで楽しんだのである。(この項、終わり)

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