第1573回 ラグビーも王国相手に3連敗(2) 6か国対抗となってから初めての最下位

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■メンバーを大量に入れ替えたフランスが前半をリード

 ラグビーの聖地トゥイッケナム、2015年のワールドカップでもメイン会場となり、予選プールではイングランドの所属するグループAの試合などが行われるが、イングランドは第2シードである。イングランドの第1シードを阻んだのがフランスであり、今年の6か国対抗での対戦にイングランドのフィフティーンは燃えている。
 一方のフランスであるが、昨年11月の3連勝から一転して6か国対抗はイタリア、ウェールズに連敗である。フランスはウェールズ戦からメンバーを7人入れ替え、それまでの2試合とは見違えるような試合を展開する。連勝しているチームと連敗しているチームの対戦とは思えないような拮抗した試合展開となった。大幅にメンバーを入れ替えたフランスであるが、ウェールズ戦に続いて先発メンバーとなった選手にもポジションが変わった選手がいる。例えばウィングからセンターに代わったウェスレイ・フォフォナが相当する。双方ペナルティゴールを決めあってイングランドが6-3とリードして迎えた30分、フォフォナが聖地に集まった8万観衆を驚かせる。60メートルを5人のタックルを振り切って走りきり、この試合最初のトライが逆転トライとなり、ゴールも決まってフランスが10-6とリードする。前半はフランスが10-9とリードして折り返す。

■イングランドに逆転負け、1999年以来の3連敗

 イングランドは48分に手堅くペナルティゴールを決めて逆転、そして拮抗していた試合の流れを変えたのがサモア出身のイングランド代表、マヌー・ツイランギ、56分にモールからパワーでトライをあげた。ツイランギのトライでイングランドは17-10と差を広げ、その後も着々とペナルティゴールを決め、トライ数は両チーム同数の1であったが、最終的なスコアは23-13と10点差がつき、フランスは開幕3連敗となったのである。フランスが6か国対抗で3連敗したのはまだ5か国対抗であった1999年以来14年ぶりのことである。

■終盤に追いついたアイルランド戦はドロー

 フランスは何としても連敗をストップさせなくてはならない。第4節の相手はアイルランドである。アイルランドは第1節でウェールズを下したが、第2節(イングランド戦)、と第3節(スコットランド)に僅差の試合を落とし、1勝2敗で4位という成績で最下位のフランスをダブリンに迎えた。
 イングランド戦は最終的なスコアは開いたが試合内容は3試合の中で一番よかった。しかしながら、3連敗という結果を受け、FWの8人はメンバーを代えなかったが、BK人は3人を入れ替えてダブリンの試合に臨んだ。フランスはアイルランドとの相性がよく、過去10試合で8勝1分1敗と大きく勝ち越している。ただし昨年はスタッド・ド・フランスで引き分けている。試合はアイルランドのスクラムが安定せず、フランスが開始早々から優位に立ちながら先制トライはモールで優位に立ったアイルランド、11分にジャミー・ヒースリップが密集からトライをあげ、ゴールも決まり7-0とリードする。その後もアイルランドはペナルティゴールで得点、前半を13-3で終える。後半にフランスはモルガン・パラが40メートルのペナルティゴールを決め、74分にゴール前のペナルティキックからルイ・ピカモールがゴール左隅に飛び込み、難しい角度のゴールをフレデリック・ミシャラクが決めて13-13の同点に持ち込んだ。

■最終戦のスコットランド戦に勝利、史上6回目の最下位に

 そしてフランスが初勝利をあげたのは最終戦のスコットランド戦であった。白いジャージーのフランスは前半0-6とリードを許したものの、後半に入って2つのペナルティゴールで追いつき、フォフォナとマキシム・メダールが終盤にトライをあげて、23-16と勝利する。
 1勝1分3敗のフランスは同成績のアイルランドに得失点差で追いつかず、史上6回目の最下位となった。前回の最下位は1999年のことであり、6か国対抗となって初めての最下位となったのである。(続く)

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