第1756回 2014年バスケットボールワールドカップ(4) クロアチアに勝利し、準々決勝でスペインと対戦

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■サッカーのワールドカップとは異なる決勝トーナメント

  開催国のスペイン、南米チャンピオンのブラジルに続いてグループ3位となったフランス、16チームで争われる決勝トーナメントに進出した。バスケットボールのワールドカップの決勝トーナメントはサッカーンワールドカップなどとは違う大会形式である。グループA1を勝ち抜いた4チームとグループBを勝ち抜いた4チームがマドリッドで準決勝まで戦い、決勝進出チームを決める。一方グループCとグループDを勝ち抜いたチームはバルセロナで決勝進出チームを決める。すなわち、フランスは決勝戦までグループCやグループDのチームとは対戦せず、準決勝までにグループAで戦ったチームと再戦する可能性がある。
 フランスの決勝トーナメント1回戦の相手はグループBで2位となったクロアチアである。グループBはギリシャが5戦全勝、クロアチアとアルゼンチンが3勝2敗で並んだが直接対決で勝利したクロアチアが2位、4位には日本でも多数の選手が活躍しているセネガルが入っている。

■第2クォーターでエンジンがかかったフランス

 グラナダでイランを下して決勝トーナメントに進んだフランスは、1日おいて9月6日にマドリッドのスポーツパレスで決勝トーナメントの開幕戦に臨む。負けたところで終わってしまう決勝トーナメントらしい白熱した展開となった。この試合、第1クォーターではフランスは波に乗ることができず、7-15とダブルスコア以上の差で最初の10分を終える。これまでの戦いでは立ち上がりはいいが、その後息切れするという展開が多かったが、クロアチア戦は立ち上がりから窮地に追い込まれた。第2クォーターで両チーム最初の得点が試合の流れを変えた。NBAのユタ・ジャズに所属する22歳のルディ・ゴベールが豪快なダンクシュートで6点差にする。これで目を覚ましたフランスはこの第2クォーターに猛チャージ、16-7とクロアチアを圧倒し、前半を終えたところで23-22と逆転する。フランスの勢いはハーフタイムをはさんだ第3クォーターも止まらず、第3クォーターの得点は23-12と第2クォーターに続いてほぼダブルスコア、試合時間残り10分という段階でフランスは46-34と大差をつける。

■スターター以外が活躍したフランス

 最後の第4クォーターはクロアチアが盛り返すものの、フランスは69-64でクロアチアを下し、前回大会以上のベスト8入りを決めたのである。このクロアチア戦、スターター以外の選手が活躍した。身長2メートル12センチのゴベールは2点しか記録していなかったが、この唯一のシュートが試合の流れを変えた。またエバン・フルニエもこの試合でニコラ・バタムの14得点に次ぐ13得点をあげている。

■決勝トーナメント1回戦で全勝したグループA

 決勝トーナメントはこのフランス-クロアチア戦を皮切りにマドリッドで4試合行われたが、フランス-クロアチア戦の次に行われたスペイン-セネガル戦はスペインが大勝、翌日に行われたセルビア-ギリシャ戦はセルビアが終始ギリシャを圧倒、サッカーのワールドカップ3位決定戦と同じ顔合わせとなったブラジル-アルゼンチン戦はブラジルが逆転勝ち、すなわち詩のグループと言われたグループAから決勝トーナメントに進出したチームが勝ち上がり、マドリッドの準々決勝はすべてグループAの再戦となったのである。
 バルセロナで行われている決勝トーナメント1回戦はグループC首位の米国と2位のトルコ、グループD首位のリトアニアと2位のスロベニアが勝ち上がり、こちらは各グループの上位チームが勝ち上がっている。
 そしてフランスは準々決勝ではスペインと対戦、勝てばブラジル-セルビア戦の勝者と対戦することになる。前回の本連載でも紹介した通り、フランスはグループリーグでスペイン相手に大敗を喫したが、サッカーの代表が乗り越えられなかった準々決勝の壁を破ることができるのであろうか。(続く)

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