第1885回 リオデジャネイロへの道 (2) 男子7人制ラグビーはモスクワ大会、リヨン大会で優勝

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■女子7人制ラグビーの翌日にリオデジャネイロ行きをつかんだ女子サッカー

 ロシアのカザンとフランスのブリーブで行われた女子のセブンズグランプリシリーズ、カザン大会で準優勝だったフランスが地元ブリーブで優勝し、女子の団体球技では来年のリオデジャネイロオリンピックにむけて一番乗りを決めた。ちょうど同じころ、大西洋を挟んでカナダでは女子のワールドカップが開催され、同じ日にフランスが韓国に勝利してベスト8進出を決定、そしてその翌日の6月22日にノルウェーがイングランドに敗れたため、サッカーは7人制ラグビーに続き、本大会出場を決めたのである。

■3都市で行われる男子のセブンズグランプリシリーズ

 女子に続いて男子も7人制ラグビーはリオデジャネイロ行きを決めた。男子も女子同様に欧州予選はセブンズグランプリシリーズと呼ばれる欧州セブンズ選手権が兼ねる。女子は2大会であったが、男子は3大会になり、6月6日と7日のモスクワ(ロシア)、13日と14日のリヨン、7月11日と12日のエクセター(イングランド)というスケジュールになっている。欧州においては15人制ではいわゆる5か国(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス)の5か国が伝統的に強いが、7人制になるとアイルランドはエントリーしていない。また、オリンピック種目としてイングランドが英国代表としてワールドシリーズの上位チームとして出場権を獲得しており、5か国の中でオリンピック出場をかけてセブンズグランプリにエントリーしているのはフランスだけである。昨年のワールドシリーズにコアチームとして常時出場したチームでこのグランプリシリーズに出場しているのはポルトガルだけである。

■第1ラウンドのモスクワ大会、決勝で地元ロシアを下してカップ優勝

 モスクワの第1ラウンド、フランスは予選プールではルーマニアに38-0、ジョージアに49-0、ウェールズに42-0と圧倒的な得点差で3連勝する。優勝を争うカップトーナメントでも1回戦ではリトアニアを40-0、準決勝でイングランドを22-0と5試合連続のシャットアウト勝ちで決勝に進出する。決勝の相手は地元ロシアである。ロシア相手のフランスは今大会初めての失点こそしたが、19-12と勝利し、優勝したチームに与えられる20ポイントを獲得した。

■第2ラウンドのリヨンでも優勝、一方のロシアはまさかのプレート準優勝

 翌週にはリヨンでの戦いとなる。会場はジェルランではなく、マットミュット競技場、現在2部に所属しているリヨンOUの本拠地で収容人員は11,805人と小ぶりであるが2011年にオープンした新しい競技場である。
 フランスは地元でまた快進撃を続ける。予選プールではイタリアを20-0、ジョージアを38-5と下し、ポルトガルと首位をかけて戦う。ワールドシリーズのコアチームであるポルトガルはフランスに食い下がったものの、結局フランスが19-12と競り勝って首位で予選プールを突破する。
 カップトーナメントでは1回戦でポルトガルと再戦、今度は40-7と大勝する。さて、第1ラウンドのモスクワ大会で決勝に進出したロシアであるが、予選プールの第1戦でベルギーに敗れ、予選プールは首位ではなく2位で通過となった。順当にいくとフランスとはカップトーナメントの準決勝で対戦する予定であったが、カップトーナメントの1回戦で今度はドイツに敗れてしまう。ロシアはプレートトーナメントに回ることになったのである。
 フランスは準決勝はロシアに勝ったドイツと対戦するが、38-14と退け、決勝は一昨年までワールドシリーズに参戦していたスペインと対戦する。スペインをフランスは20-7と下してリヨン大会でも優勝する。
 女子も男子もフランスとロシアの一騎打ちかと思われたが、ロシアはプレートトーナメントの決勝でイングランドに敗れ、10ポイントの獲得にとどまった。
 2戦終えた段階の合計ポイント数は首位フランス40ポイント、2位はスペインで34ポイント、3位はロシアの28ポイントである。フランスは2位のスペインに6ポイントの差をつけて最終戦であるイングランドのエクセターの戦いに挑むのである。(続く)

このページのTOPへ