第2469回 最下位イタリアに辛勝(1) 消化試合となった最終戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■負傷者がでたアイルランド戦

 スコットランド戦の快勝から一転してアイルランド戦では完敗したフランス、ファンは現金なもので、2週間前に戻り、厳しい批判の声を代表チームに浴びせることになった。
 また、アイルランド戦でプロップのジェファーソン・ポワロと第三列のベンセラス・ローレも負傷により離脱する。特にポワロの右ひざは重傷で3月15日に手術し、3か月間グラウンドを離れることになった。そしてダニー・プリゾとケリアン・ガルチエをジャック・ブルネル監督は招集した。
 アイルランド戦と最終戦のイタリア戦の間は1週間しかなかったが、その間に行われた記者会見では監督、主将の責任問題も問われたが、ブルネル監督は自身もギエーム・ギラド主将も秋のワールドカップ終了まで続けると回答している。

■優勝争いはウェールズ、イングランド、アイルランド

 このような厳しい状況の中で最終節を迎える。最終節は3月16日の土曜日に時間をずらして3試合が行われる。欧州中央時間(フランス時間)で13時30分からローマでイタリア-フランス戦、15時45分からカーディフでウェールズ-アイルランド戦、18時からトゥイッケナムでイングランド-スコットランド戦が行われる。
 そして最終節を迎える段階での順位であるが、首位はここまで4連勝のウェールズ、それを3勝1敗のイングランドとアイルランドが追い、この3チームに優勝の可能性がある。首位のウェールズであるが、ボーナスポイントがなく勝ち点16、2位はボーナスポイントが3つあるイングランドで勝ち点15.3位はボーナスポイント2の勝ち点14のアイルランドである。最終節でウェールズがアイルランドに勝利すれば、全勝のボーナスポイントが獲得できるため優勝する。ウェールズがアイルランドに引き分け以下の場合は、結びの一番となるイングランドとスコットランドの結果待ちとなる。

■消化試合となった第1試合のイタリア-フランス戦

 一方、下位の順位であるが、1勝3敗でスコットランドとフランスが並んでいるが、ボーナスポイントも同じで勝ち点6、得失点差でスコットランドが4位、フランスが5位となっているが、3位以上になる可能性は消滅している。そして最下位のイタリアは4戦全敗、ボーナスポイントも獲得できず、勝ち点0である。
 すなわち、第2試合のウェールズ-アイルランド戦以降の試合に優勝がかかり、イタリアは最下位が確定している。そしてフランスはスコットランドと4位争いをするにとどまり、土曜の昼過ぎに行われるイタリア-フランス戦はBクラスが決まったチーム同士の消化試合となってしまった。

■最後の6か国対抗となるイタリアのベテラン、最終戦を飾りたいフランス

 しかし、そこは伝統の6か国対抗、見どころは尽きない。まず、イタリアはセルジオ・パリッセ、レオナルド・ギラルディーニらのベテランの主力選手が今秋のワールドカップを最後に代表から退くとみられている。すなわち、長年代表チームを支えてきた彼らを6か国対抗で見ることのできる最後のチャンスである。また、今後国内でアズーリのジャージーを着た彼らの姿を国内で見ることはないかもしれない。しかし、イタリア代表はこれまで21連敗を喫している。6か国対抗以外でも負け続け、世界ランキングは14位まで落ちてしまい、欧州勢ではグルジアの後塵を拝し、ロシアに追い上げられており、ローマでフランスに勝利し、世界にアピールしたいところである。
 一方のフランスであるが、格下のイタリアには好ゲームで勝利して締めくくりたいところである。フォワード第一列のエチエンヌ・ファルゴー、ギエーム・ギラド、デンバ・バンバ、ロックのフェリックス・ランべとポール・ウィレムス、フランカーのグレゴリー・アルドリットとヤクーバ・カマラ、ナンバー8のルイ・ピカモール、ハーフ団のスクラムハーフのアントワン・デュポン、スタンドオフのロマン・エンタマック、スリークォーターバックに左から並ぶヨアン・ウジェ、ジョフレイ・ドゥメル、マチュー・バスタロー、ダミアン・プノー、フルバックのマキシム・メダールはファンの期待に応えることができるであろうか。(続く)

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