第2546回 日本行きの31人のメンバー決定(1) 主力の登場するスコットランドと対戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■第1戦と先発メンバーを14人入れ替えたスコットランド

 ラグビーワールドカップの開幕までいよいよ2週間となった。開幕までに残る試合の機会はあと2試合、24日のアウエーでのスコットランド戦と30日のスタッド・ド・フランスでのイタリア戦のみである。
 本連載第2537回と第2538回で取り上げた8月17日のニースでのスコットランド戦は大勝したが、両チームともベストではないメンバーで臨み、この結果を両チームの真の実力と認めるわけにはいかないであろう。特に、スコットランドは若手主体で臨み、本拠地、エジンバラのマレーフィールドでは全く違った戦いを見せてくるはずである。  その予想通り、スコットランドは1週間前とは大きくメンバーを変えてきた。フルバックのスチュワート・ホッグ以外の14人は入れ替わった。

■キャリアの豊富な選手がそろったスコットランド

 FW第一列はゴードン・リード、ジョージ・ターナー、ビレム・ネル、ロック陣はスコット・カミングスとサム・スキナー、フランカーはライアン・ウィルソンとハミッシュ・ワトソン、ナンバーエイトはブレイド・トムソン、スクラムハーフはグレイグ・レイドロー、スタンドオフはフィン・ラッセル、スリークォーターバックスは左からショーン・マイトランド、ピーター・ホーン、クリス・ハリス、ブレア・キングホーン、そしてフルバックがホッグである。これが28歳にして代表デビュー戦となるトムソン、2試合目となる22歳のカミングスというフレッシュなメンバーもいるが、77キャップを誇る主将のレイドローなどキャリアの豊富な選手が多く、平均年齢もニースでの試合よりも1.5歳高くなった。

■主将のギエーム・ギラドが復帰したフランス

 ワールドカップ前最後のアウエーゲームとなるフランス、主将のギエーム・ギラドが戻ってきた。FW第一列はジェファーソン・ポワロ、ギラド、ラバ・スリマニ、第二列はフェリックス・ランベイとセバスチャン・バーマイナ、フランカーはアルツール・イトゥリアとシャルル・オリボン、ナンバー8はグレゴリー・アルドリットである。スクラムハーフはアントワン・デュポン、スタンドオフはカミーユ・ロペス、スリークォーターバックスはアリベルティ・ラカ、ガエル・フィクー、ソフィアン・ギトゥン、ダミアン・プノー、フルバックはトマ・ラモスというメンバーである。

■苦悩の続くメンバー選考

 ハーフ団はバティスト・サランやロマン・エンタマックの起用も予想されたが、第1戦と同じコンビが先発する。また第1戦ではフランカー陣はバックアップメンバーのフランソワ・クロとオリボンであったが、オリボンはこの試合も先発出場となる。そしてクロとともに1週間前に代表デビューしたウイングのラカも連続出場となる。またウェスレイ・フォファナの負傷によりセンターには代表6試合目となるギトゥンが出場する。フランスの先発15人のうち代表出場歴が一桁の選手は6人、平均年齢も26歳とキャリアの少ない選手が中心となる。30歳以上の選手は主将のギラド、ロペス、ギトゥンの3人である。4年間の集大成として臨む大会がワールドカップであるならば、この選手構成はこれまで4年間のチームの苦悩を表していると言えるであろう。
 6月に早々とメンバーを発表しているが、9月2日に最終メンバーを確定することになっており、まだまだ流動的であると考えられる。
 一方のスコットランドは代表出場歴一桁の選手は5人、平均年齢は28歳である。ニースでは先発しなかったレイドローとラッセルが司令塔となり、ニースでの試合より確実に手ごわいメンバー構成である。
 このところ6か国対抗では精彩を欠く両国であるが、スコットランドの本拠地マレーフィールドではスコットランドが2016年と2018年の対戦で連勝している。もしもフランスが敗れエジンバラで3連敗となれば、1980年から1992年にかけての7連敗以来の連敗記録となるのである。(続く)

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