第2777回 6か国対抗に向けてフランスラグビー始動(9) 若手を積極的に起用、ニースで合宿入り

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■驚きの新人抜擢、ドノバン・タオフィフェヌア

 1月11日にファビアン・ガルティエ監督が選んだ37人のメンバー、秋から冬にかけての5試合の国際試合で13人を代表にデビューさせたガルティエ監督はさらに3人の新人を抜擢した。その中で最大の驚きはウイングのドノバン・タオフィフェヌアであろう。これまでの本連載で紹介してきたとおり、一連の試合で最初の3試合(ウェールズ戦、アイルランド戦、スコットランド戦)に主力メンバーを起用した。このポジションはバンサン・ラッテスが最初の3試合に先発し、6か国対抗でも先発が有力とされていたが、その実績のある選手を押しのけて21歳の若者が代表入りした。ドノバン・タオフィフェヌアは一緒に代表入りしたロマン・タオフィフェヌアのいとこであり、父親のジャン・ジャック・タオフィフェヌアはニューカレドニア出身のラグビー選手であった。プロになってまだ2年目、昨季はクレルモンでプロデビューし、クレルモンではわずか1試合出場にとどまったが、今季ラシン92に移籍し、トライゲッターとして活躍している。

■最年少の21歳、5人を選出

 ドノバン・タオフィフェヌアとともに初めて代表入りしたジョルジュ・アンリ・コロンブもまたラシン92の選手であり、22歳の若手である。経験が要求される右プロップというポジションにおいてラシン92では新型コロナウイルスによる中断の後にポジションをつかみ、昨季の欧州チャンピオンズカップの決勝に進出している。そして3人目のジュリアン・デルブイも21歳、スタッド・フランセに所属しているセンターであり、ジョナタン・ダンティが落選となった。
 21歳で選出されたのはドノバン・タオフィフェヌア、デルブイに加え、バンサン、グロ、ゲラシの5人で最年少となる。日本でいえば大学3年生であり、日本の読者の方には信じられないであろう。一方、最年長は31歳のルルーである。30歳以上の選手はルルー、アトニオ、デュラン、ロマン・タオフィフェヌアの4人のみ、わずか1割強である。

■4人の監督に選ばれた最多キャップのガエル・フィクー

 そして最も代表キャリアがあるのはセンターのフィクー、フィリップ・サンタンドレ、ギ・ノベス、ジャック・ブルネル、そしてガルティエと4人の監督から選ばれている。しかし、フィクーですら代表キャップ数は58、オータムネーションズカップ決勝で戦ったイングランドの先発メンバーの平均値以下である。
 このようにワールドカップから昨年の試合で活躍してきた選手を差し置いて若手を選出したガルティエ監督のタレント発掘にかける思いは強い。ガルティエ監督はこの37人にさらにチャンスを与えるためにスパーリングパートナーとして5人を追加招集した42人で合宿に臨む意向を示していた。

■TOP14のうち11チームから選出、ニースで合宿入り

 また、6か国対抗も国内リーグ戦と同時並行して開催されるため、フランス代表を統括するフランスラグビー連盟と各クラブを所轄するフランスプロラグビー連盟の合意なしに代表チームを運営できない。気になる所属クラブの分布であるが、ラシン92とトゥーロンが7人、トゥールーズが6人、モンペリエとラロッシェルが4人、リヨンが3人、スタッド・フランセが2人、ボルドー・ベグル、ポー、カストル、クレルモンが各1人となり、TOP14の14チームのうち11チームから選出されている。代表に選手を送り込むことができなかったのはブリーブ、アジャン、バイヨンヌの3チームであった。
 平均年齢24.8歳、平均キャップ数13.9という若いメンバーは、感染防止のために人数を絞って1月下旬からニースでの合宿に入った。通常は国立ラグビーセンターで行われる事前合宿であるが、ガルティエ監督は昨年もニースで合宿を行い、それを継承する形となった。
 3度目のロックダウンという事態の中で今年の6か国対抗は開催されないのではないかと心配されたが、若きフィフティーンは2月6日のイタリア戦で今年の6か国対抗の開幕を迎えるのである。(この項、終わり)

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