第2776回 6か国対抗に向けてフランスラグビー始動(8) 37人のメンバーを発表したファビアン・ガルティエ監督

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■メンバー選出に苦心した終盤のオータムネーションズカップ

 フランスの秋から冬にかけてのテストマッチの戦績は4勝1敗(フィジー戦の不戦勝を含まず)であった。唯一の敗戦は前回の本連載で紹介したオータムネーションズカップの優勝決定戦のイングランド戦であったが、キャリアの浅いメンバーでワールドカップ準優勝メンバーのそろうチームをあわやのところまで追い込んだ。そしてこのメンバーはキャリアが浅かっただけではない。代表への選手の招集が特定クラブの戦力ダウンにつながらないように配意した。イングランド戦にベンチ入りした23人は全員、フランスのTOP14のクラブに所属する選手であったが、11のクラブから選出された。先々代のギ・ノベス監督時代は出身のトゥールーズのメンバーが半数近くなるようなケースもあったが、今回は多くのクラブから選出しなくてはならず、これも苦心のメンバー構成であったであろう。そして、選出された選手は通常より短い準備期間でチームを作り上げ、トゥイッケナム競技場で15年ぶりの勝利まであと一歩であった。

■就任以来7勝2敗のファビアン・ガルティエ監督

 ここで悩んだのがファビアン・ガルティエ監督である。2019年のワールドカップ後にジャック・ブルネル監督からバトンを引き継ぎ、南半球勢との対戦には恵まれなかったが、就任以降の戦績は実質的には7勝2敗である。そして新型コロナウイルスの感染拡大は継続しているものの、6か国対抗の季節がやってきた。
 新型コロナウイルスの感染拡大で欧州には3回目の都市封鎖の恐れがある中で1月11日に今回の6か国対抗に臨む37人のメンバーを発表した。

■37人のメンバー発表

 まずは37人のリストを紹介しよう。FWについては、プロップはシリーユ・バイユ、ジャン・バティスト・グロ、ハッサン・コランガ、モハメド・アウア、ウイニ・アトニオ、ジョルジュ・アンリ・コロンブの6人、フッカーはジュリアン・マルシャン、カミーユ・シャ、ピエール・ブルガリの3人、FW第2列はベルナール・ルルー、キリオン・ゲラシ、ポール・ウィレムス、ロマン・タオフィフェヌア、バティスト・プサンティ、スワン・レバジの6人、FW第3列はグレゴリー・アルドリット、フランソワ・クロ、シャルル・オリボン、ディラン・クレタン、セレバジオ・トロフア、アントニー・ジェロンチの6人である。
 バックス陣であるが、スクラムハーフはアントワン・デュポン、バティスト・サラン、バティスト・クイユーの3人、スタンドオフはマチュー・ジャリベールとロマン・エンタマックの2人、センターはビリミ・バカタワ、ガエル・フィクー、アルトゥール・バンサン、ジュリアン・デルブイの4人、ウイングはダミアン・プヌー、テディ・トマ、ガバン・ビリエ、ドノバン・タオフィフェヌアの4人、フルバックはアントニー・ブーチエ、ブリス・デュラン、トマ・ラモスの3人という陣容である。

■秋から冬にかけて発掘した人材に加え、3人の新人を選出

 秋から冬にかけての国際試合5試合においてガルティエ監督は最初の2試合(ウェールズとのテストマッチ、アイルランドとの6か国対抗)では前年のワールドカップで活躍したメンバーを主軸に戦い、オータムネーションズカップではキャリアの浅い選手を抜擢して期待以上の成果を残した。オータムネーションズカップで代表にデビューしたのは13人、そのうちの6人が今回のリストに名を連ねた。また、イングランド戦に出場した選手のうち12人が今回もメンバーに入っている。
 今回の6か国対抗は新型コロナウイルスの第3波の中で代表チームの活動が質量ともに制限されている。こういう時はキャリアがあり、気心の知れた経験者で乗り切りたいと考えるところであるが、ガルティエ監督は、この逆境下においてもチャレンジ精神を忘れていない。秋から冬にかけて発掘した人材に加え、さらに代表出場歴がないドノバン・タオフィフェヌア、コロンブ、デルブイという3人を選出したのである。(続く)

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