第3142回 ハンドボール世界選手権 (3) 決勝でデンマークに敗れ準優勝に終わったフランス

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■全勝のスペインに勝利し、決勝トーナメントへ

 フランスは二次リーグでも好調で、二次リーグの第2戦の前に上位2チームに与えられる決勝トーナメント進出を決め、ニコラ・カラバティック、ディカ・マンを負傷で欠きながらもイラン戦に勝利した。二次リーグ最終戦はスペインとの全勝対決を迎えた。スペイン戦ではフランスはマンが戻ってきた。対するスペインであるが、昨年行われた欧州選手権は準優勝、2021年の東京オリンピックは3位、2021年の前回の世界選手権も3位と上位をキープしており、フランスにとっては今大会に入ってから最も力のあるチームとの対戦となる。
 試合は接戦となり、前半はフランスが僅差でリードして、スペインが追いつくという展開、そして後半も開始からは逆にスペインがリードしてフランスが食らいつく展開となった。フランスが追いついたのは後半も半ばの46分であった。ルドビック・ファブレガスが同点ゴールを決め、ここからはシーソーゲームとなる。54分にフランスは3点差として、最終的には28-26という2点差で勝利、二次リーグも全勝で、決勝トーナメントに臨んだ。 8チームが出場する決勝トーナメント、フランス、デンマーク、スウェーデン、スペイン、ハンガリー、ノルウェー、ドイツという欧州勢7か国と、唯一の欧州以外からのエジプトという顔ぶれである。

■終盤にドイツを突き放して準決勝へ

 準々決勝のフランスの相手はドイツ、今回が26回目の出場、デンマークと並んでハンドボールの発祥の地と言われる。ただ、主要大会での最後のメダルは2016年のリオデジャネイロオリンピックでの銅メダルと、近年はメダルからは遠ざかっている。ドイツ戦にはニコラ・カラバティックも合流、万全の態勢で臨んだが、前半はドイツが優勢で最多で4点のリードを許す。フランスが追いつき、前半は16-16のタイスコアで折り返す。しかし、後半の終盤に入ってフランスは一気にギアをあげる。最後の15分間でフランスは10得点をあげ、ドイツを突き放し、35-28というスコアで準決勝に進出した。
 準決勝の相手はスウェーデンである。準々決勝で唯一の欧州外のエジプトを退けたスウェーデンは前回大会の準優勝チーム、東京オリンピックは5位に終わったが、昨年行われた欧州選手権では優勝している。今大会もフランス同様ここまで6戦全勝である。さらにフランスはここまでポーランド国内で試合をしていたが、準決勝以降はスウェーデンのストックホルムで試合が行われ、アウエーでの対戦となる。開幕戦のポーランド戦に苦戦した記憶も新しい。

■スウェーデンとのアウエーの準決勝に完勝

 このスウェーデン戦、フランスは今大会でのベストともいえる戦いであった。動きの悪いスウェーデンを終始圧倒する。スウェーデンにリードを許したのは序盤だけ、前半からリードを広げ、16-12で後半を迎える。後半もリードを保ち、31-26と勝利して決勝進出を決めた。

■東京オリンピック決勝で勝利したデンマークに敗れ、サッカーに続き準優勝

 決勝の相手はデンマークである。過去2大会連続で優勝し、今大会も二次リーグ初戦のクロアチア戦で引き分けた以外はすべて勝利している。東京オリンピックでは決勝でフランスに23-25と敗れている。両国が世界選手権の決勝で対戦するのは2011年大会以来のこととなる。この時は延長戦の末、フランスが勝利している。世界選手権ではフランスがこれまでに6回優勝しているのに対し、デンマークは直近の2大会で優勝している。
 試合は立ち上がりからデンマークが得点を重ねた。7分にはデンマークが6-2と4点をリードする展開となった。フランスも前半の終盤に追い上げたが、追い付くことはできず、15-16と1点差で後半に望みをつないだ。
 後半の立ち上がりにフランスは追いついたが、フランスはリードを奪うことなく、デンマークに再び突き放される。デンマークがその後もリードを保ち、34-29で勝利して3連覇を成し遂げた。
 敗れたフランスは、サッカーのワールドカップに続いて準優勝に終わったのである。(この項、終わり)

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