第3149回 連勝が止まったフランス (1) 世界ランキング1位のアイルランドと対戦する2位のフランス

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■史上初めて6か国対抗で世界1位と2位が対戦

 自国開催のワールドカップを秋に控えたラグビーフランス代表、6か国対抗はイタリアとまず対戦、後半に入って逆転されるシーンはあったが、最終スコアは29-24、4トライをあげてボーナスポイント付きでの勝利をあげることができた。しかし、昨年来、イタリアが実力をつけてきたとはいえ、フランスは反則の数が多く、思ったほどの得点差を付けて勝利することができなかったことは反省点である。
 フランスが国際試合で14連勝であることは、本連載で紹介した通りであるが、今回の6か国対抗で残り4試合も勝利すれば、18連勝となる。18連勝はこれまでにニュージーランドとアイルランドが記録しており、フランスは世界タイ記録に並ぶことになる。
 第2戦は第1戦の翌週に行われ、短期間の間にどれだけチームとして修正することができるか注目された。そして第2戦の相手はアイルランド、この対戦を迎える時点で世界ランキング1位である。早くも第2節で世界ランキングの1位と2位の直接対決となった。6か国対抗となってから世界ランキング1位と2位のチームが対戦するのは初めてのことである。

■ウェールズで10年ぶりの勝利をあげたアイルランド

 アイルランドは第1節ではウェールズとアウエーで対戦した。2013年以来、カーディフでアイルランドは勝利したことがなく、ウェールズのホームでの強さが際立っていたが、アイルランドの充実ぶりはウェールズを相手にしなかった。アイルランドは34-10と大勝、4トライをあげてボーナスポイントも獲得している。
 第2節でアイルランドはフランスをホームに迎え、フランスは前節のイタリア戦に続いてアウエーでの試合が続く。アイルランドはホームで12連勝中である。試合前にはアイルランドのマイケル・ヒギンズ大統領もピッチにおりてきて両チームの選手を激励する。

■イタリア戦と全く同じ先発メンバーのフランス

 その激励を受けた選手をフランスから紹介しよう。FW第一列はシリーユ・バイユ、ジュリアン・マルシャン、ウイニ・アトニオ、ロック陣はチボー・フラマンとポール・ウィレムス、フランカーはアントニー・ジェロンチとシャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリット、ハーフ団は主将のアントワン・デュポンとロマン・エンタマック、スリークォーターバックスは左からエタン・デュモルティエ、ヨラム・モエファナ、ガエル・フィクー、ダミアン・プノー、フルバックはトマ・ラモスと第1戦と全く同じメンバーである。
 ただ、リザーブメンバーは第1節で出番のなかったトマ・ラボーに代わりフランソワ・クロ、ノラン・ルガレックに代わってバティスト・クイユーが入っている。

■第1戦と1人だけが入れ替わったアイルランド

 対するアイルランドはFW第一列はアンドリュー・ポーター、ロブ・へリング、フィンレー・ビーラム、ロック陣はタイグ・バーン、ジェームズ・ライアン、フランカーはピーター・オマホニーとジョシュ・バンダーフリアー、ナンバーエイトはケーラン・ドリスである。スクラムハーフはコナー・マレー、スタンドオフはジョナサン・セクストン、主将を務める。スリークォーターバックスは左からジェームズ・ロー、スチュアート・マクロスキー、ギャリー・リングローズ、マック・ハンセン、フルバックはヒューゴ・キーンアンというメンバーである。
 第1戦と変更があったのはフッカーだけであり、第1戦で先発したダン・シーナンがメンバーから外れ、第1戦で途中から出場したヘリングが背番号2を付けた。また第1戦の試合前に負傷のためにメンバーから外れたスクラムハーフのジャミソン・ギブソン・パークはこの日もメンバー入りしていない。
 そしてポーターとライアンはこの試合で代表では50キャップという記念すべき試合となった。満員のアビバ競技場で欧州、いや世界の覇者を争う試合がキックオフされたのである。(続く)

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