第3226回 ワールドラグビーU20チャンピオンシップ2023(4) イングランド、アイルランドを撃破、3連覇達成

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■序盤に0-17とイングランドにリードを許す

 3連覇を狙うフランスは予選プールを3戦全勝で首位通過し、準決勝に進出した。7月9日の準決勝2試合は同じアスロン競技場で行われ、第1試合ではアイルランドが南アフリカを31-12と下して、一足先にファイナリストとなった。
 19時から行われたフランス-イングランド戦はフランスのキックオフで始まったが、イングランドがフランスの22メートルライン内に序盤に攻め込む。3分にはフランスはオフサイドの反則を自らのゴール前で犯してしまう。イングランドがペナルティゴールを決め、フランスはこの大会で初めて先制を許してしまう。フランスも反撃し、6分に左サイドをパスでつないで逆転トライかと思われたが、スローフォワードの反則があり、トライは取り消しとなる。イングランドはスクラムでフランスを圧倒し、優位に試合を始めた。イングランドは12分、15分と立て続けにトライを挙げ、それぞれゴールも成功し、序盤で17-0と大差をつけた。

■7トライをあげて、イングランドに逆転勝利

 しかし、ここからフランスの大逆転が始まる。17分にスクラムハーフのマティス・フェルテが隅にトライを挙げ、スタンドオフのウーゴ・ルースがゴールを決める。ハーフ団の得点でフォワードが勢いづき、スクラムでフランスは劣勢を跳ね返す。フランスは24分のトライとゴールで3点差に迫る。イングランドは38分にトライを決め、ゴールも成功させて24-14と10点差でハーフタイムを迎える。
 ハーフタイムを迎える前に両チームはエキサイトし、主審が両チームの主将を呼んで落ち着かせる。
 後半に入って攻め込んだのはフランスである。ロングキックで相手のゴール前で5メートルスクラムを獲得する。このスクラムからフランスは攻め込み、イングランドは反則を繰り返して前進を阻止する。主審はペナルティトライをフランスに与え、イングランドの選手1人にイエローカード、3点差に迫ったフランスは47分からの10分間で逆転したいところである。その目論見通り、54分にはフランスは主将のレンヌ・ヌーシが逆転トライを決め、ゴールも決まって28-24となる。ようやく55分かけてこの試合初めてリードしたフランスはここからは得点を重ねた。57分にはナンバーエイトのマルコ・ガゾッティがフランカー陣とパスをつないでトライ、ゴールも成功、35-24と安全圏に入る。数的有利な時間帯に2本のトライを奪ったフランスの勢いは止まらない。その後も2本のトライを追加する。イングランドも1トライを返すのが精一杯、80分になったところでフランスはペナルティキックを得てゴールを決めて試合終了、7トライを挙げたフランスは52-31とイングランドを下して決勝に進んだ。

■フル代表では世界ランキング1位のアイルランドが先制

 7月14日、革命記念日に行われたアイルランドとの決勝も圧巻の内容であった。4分にアイルランドがトライをあげ、ゴールも決まり、この試合もフランスは先制を許してしまう。しかし、フランスは慌てることなく、14分にフェルテのトライ、ルースのゴールで同点に追いつく。これでフランスが試合の主導権を握り、22分にルースのペナルティゴールで勝ち越す。しかし、フル代表で世界ランキング1位のアイルランドは手ごわい。31分にセンターのジョン・デビンがトライを決めて逆転、さらにスーパーブーツのサム・プレンダーガストが難しい角度のキックを成功させて14-10とする。しかし、これがアイルランドの最後のスコアとなった。

■後半はフランスのトライラッシュ、5試合で36トライを量産

 フランスはポソロ・トゥイランギの突進から35分にはリノ・ジュリアンが逆転トライ、ゴールも成功し、17-14でハーフタイムとなる。
 後半はフランスのトライラッシュとなった。42分のピエール・ジューバンに始まり、45分はニコラ・デポルテール、69分にはフォルテ、75分にヌーシ、79分にはレオ・ドルーエと5本のトライが決まり、ゴールも4本成功、フランスの得点は50点の大台に乗り、50-14とアイルランドを破り、4年間の中断を経て3連覇を果たした。
 5試合で36トライと驚異的な攻撃力は世界に衝撃を与え、若き才能の今後が楽しみである。(この項、終わり)

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