第3321回 2024年6か国対抗開幕(3) 開幕戦の相手はアイルランド

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■6か国対抗の歴史で初めての前年1位と2位の開幕戦

 今年の6か国対抗は2月初めから3月中旬まで5節にわたって繰り広げられる。それぞれの節で3試合が行われるが、この3試合の組み合わせは固定しており、その順番が毎年入れ替わる仕組みになっており、隔年ごとにホームとアウエーが入れ替わる。
 今年の第1節はフランス-アイルランド、イタリア-イングランド、ウエールズ-スコットランドというカードであるが、この3試合は昨年までの3年間は第2節に行われていた。注目カードはフランス-アイルランド戦である。昨年の優勝はアイルランド、2位がフランス、そしてその前年の優勝はフランスで2位がアイルランド、過去2年間の1位と2位のチームがいきなり第1節、しかも大会の開幕戦として2月2日の金曜日の夜に対戦する。
 前年の1位と2位のチームが翌年の第1節で対戦するのは2003年に前年優勝のフランスと2位のイングランドが対戦して以来21年ぶりのこととなる。なお、この時は2月15日に第1節の3試合が行われ、ロンドンで16時にイングランド-フランス戦がキックオフされたが、ローマで14時30分(ロンドン時間では13時30分)にイタリア-ウエールズ戦がキックオフされており、開幕戦ではなかった。前年1位と2位が開幕戦で対戦するのは2000年に6か国対抗になってから25年目で初めてのこととなる。

■失意のラグビーワールドカップから再起する両チーム

 そしてこのカードは前年の1位と2位という以外にも意味がある。それは昨年のラグビーワールドカップでは優勝候補と目され、予選プールではアイルランドが南アフリカ、フランスがニュージーランドという南半球の雄を下し、ともに首位で決勝トーナメント進出を決めた。
 しかし、決勝トーナメントの初戦では、フランスは南アフリカに、アイルランドはニュージーランドにそれぞれ敗れ、いずれも準々決勝敗退となっている。最終的には南アフリカとニュージーランドが決勝を争い、予選プールまではフランスもアイルランドも南半球勢を退けたが、準々決勝で南半球勢に致命的な敗戦をして敗退した。優勝候補として失意のラグビーワールドカップからのリスタートという点でも両チームの対戦は興味深い。

■フランスを上回る26人が昨年のラグビーワールドカップ経験者

 前回の本連載でフランスは招集した34人のメンバーのうち、6人はこれまで代表キャップがない新人であるが、22人はラグビーワールドカップに出場したメンバーであることを紹介した。ラグビーワールドカップが終わったからと言って大規模な世代交代が起こるわけではない。
 一方のアイルランドであるが、こちらも招集した人数は34人、そのうち26人が昨年のラグビーワールドカップに出場しており、その人数はフランスを上回る。

■ジョナサン・セクストン、キース・アールズが代表から引退したアイルランド

 しかし、アイルランドはそれまでのチームを支えてきたジョナサン・セクストンが代表から引退している。セクストンのポジションはスタンドオフ、戦術面の中心を長らく務めてきた指揮官を失ったといえよう。
 また、代表キャップ数が100を超えるキース・アールズも代表から退いた。アールズはラグビーワールドカップではルーマニア戦のみにしか出場しなかったが、チームの精神的支柱である。
 戦術的支柱、精神的支柱の両方を失ったアイルランドの方が質的には大きな変化があると言えよう。ただし、この2人の引退は年齢的なものであり、予想されていたものであり、セクストンの務めていたスタンドオフにはジャック・クローリーがラグビーワールドカップでも出場し、バックスのユーティリティープレーヤーだったアールズの後にはバンディ・アキ、ロビー・ヘンショー、ギャリー・リングローズ、ジェームズ・ローなどのラグビーワールドカップメンバーに加え、ラグビーワールドカップに出場しなかったジェイコブ・ストックデールも復帰し、2人のレジェンドの引退の穴を感じさせない陣容でフランスに立ち向かうのである。(続く)

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