第3591回 若きラグビーフランス代表、ニュージーランド遠征(5) ニュージーランド遠征は3連敗に終わる

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■第1戦のメンバーをカムバックさせた最終戦のメンバー

 フランスBと批判されたチーム編成でニュージーランド遠征を行ったフランスであったが、ダニーデンでの第1戦は惜敗であったが、ウェリントンでの第2戦では第1戦と10人を入れ替え、さらに若いメンバーで戦ったが、6トライを奪われ、大敗を喫した。ただ、この試合は前半は3-29と大きくリードを奪われたが、後半のスコアだけ見れば14-14と互角であった。
 残るはハミルトンでの最終戦となる。すでに負け越しは確定しているものの、ファビアン・ガルティエ監督としては最終戦で成果を残しておきたいところである。第3戦の先発メンバーは善戦した第1戦のメンバーを多くカムバックさせた陣容となり、FW第一列は左から順にバティスト・エルドシオ、ピエール・ブルガリ、ラバ・スリマニ、第二列はウーゴ・オラドゥとマティアス・アラガ、第三列はアレクサンドル・フィッシャーとジョシュア・ブレナンがフランカーでナンバーエイトはミカエル・ギヤールというメンバーである。ハーフ団はスクラムハーフはノーラン・ルギャレックとアントワン・ハストワ、スリークォーターバックスは左からギャバン・ビリエール、ガエル・フィクー、ニコラ・デポルテール、テオ・アティソグベ、フルバックはレオ・バレとなっており、第2戦から9人が入れ替わった。ブレナンは本職はロックであるが、この試合ではリザーブは8人、そのうちBKは2人だけで、1人は専門職のスクラムハーフ、30歳で第2戦の終盤に代表デビューしたチボー・ドーバーニャ、もう1人はスリークォーターバックスのエミリアン・ガイユトンとなる。

■セブ・リース、アントン・レイナート・ブラウンが復帰したニュージーランド

 一方のニュージーランド、第2戦はニュージーランドらしい戦いで快勝し、その勢いで第3戦でも勝利したいところである。第1戦の開始直後に負傷したセブ・リースが復帰、また今夏から神戸に移籍するアントン・レイナート・ブラウンも負傷から復帰してきた。主将は第2戦に引き続き、今夏から再び神戸に所属することになるアーディ・サベアが務める。また、スコット・ロバートソン監督は最終戦で今回のチームに招集したメンバー全員が試合に出場できるよう、ノンキャップの選手をリザーブにそろえた。

■先手を取ったフランス、2点リードしてハーフタイム

 第3戦は第1戦のようにフランスが先手を取った。8分にニュージーランドのトライライン前でのラインアウト、モールを組んで前進、ドライブしながら最後はルギャレックがダミーパスをして自ら飛び込んでトライ、3戦連続出場という首脳陣の信頼に応える。自らでゴールも決め、20分にはペナルティゴールも成功、1人で10点を稼いだ。ニュージーランドの初得点は20分、スクラムハーフのコルティス・ラティマのパントをウィル・ジョーダンが収めてそのままトライ、この日のスタンドオフのダミアン・マッケンジーがコンバージョン成功。3点差に詰め寄られたフランスは24分にスタンドオフのハストイがドロップゴールを決め、勝利への執念を見せる。フランスは2本、ニュージーランドは1本ペナルティゴールを決め、フランスが9点リード。40分を過ぎてからニュージーランドは攻撃を続け、最後はレイナート・ブラウンがトライを決め、ゴールも決まって2点差で折り返す。

■後半に逆転したニュージーランドが3連勝

 後半はニュージーランドが攻めるが、フランスの守備が固く、なかなかスコアが動かなかったが、59分、ニュージーランドはグラバーキックからトライをあげてついに逆転する。ニュージーランドは追加点が奪えない展開が続いたが、76分にトライとゴールを決めて、ようやく安全圏、29-19と勝利したのである。
 ガルティエ監督は就任以来初めて3連敗を喫したが、ニュージーランドとの対戦成績も3勝3敗となった。この遠征で結局初キャップを獲得したのは14人に上る。この中の何人が2年後のワールドカップの舞台に立つことができるだろうか。(この項、終わり)

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