第1116回 ウルグアイと再戦、今回もドロー(2) 市内に2つの競技場があるケープタウン

■ケープタウンにある2つの競技場

 翌日にラグビーのテストマッチが行われるケープタウンは地中海気候であり、フランスのニースと姉妹都市である。しかし、都市の規模は大きく異なり、ニースの人口が35万人、周辺を含めても100万人であるのに対し、ケープタウンは約300万人の人口を誇る。ニースではラグビーもサッカーもワールドカップが開催されなかったが、ケープタウンはラグビーもサッカーもワールドカップの開催地となっている。ケープタウンには、グリーンポイント競技場、ニューランズ競技場の2つの国際レベルの競技場がある。
 グリーンポイント競技場は、かつては陸上競技場であったが、サッカーのワールドカップに向けて改装され、6万4000人を収容する近代的な競技場になった。ちなみにこの競技場の運営はスタッド・ド・フランスが行っている。グリーンポイント競技場はサッカーのワールドカップの試合会場として使用され、7試合が予定されている。
 一方のニューランズ競技場は19世紀に建造された歴史ある競技場であり、1989年に改装され、収容人数は5万人である。ラグビーのスーパー14に所属しているストーマーズの本拠地となっている。1995年のラグビーのワールドカップでも使用され、南アフリカ-豪州と言う開幕戦の舞台となったが、フランスはこの競技場では試合をしていない。そしてニューランズ競技場はラグビーの南アフリカ-フランスのテストマッチが行われる。

■1995年のラグビーワールドカップで使用した3競技場

 サッカーとラグビーのフランス代表が同じ時期に同じ都市で試合をすることは極めて珍しいことであろう。少なくともフランス国内では、ラグビーのワールドカップとサッカーのワールドカップは同じ競技場で開催され、ラグビーの国際試合とサッカーの国際試合を別の競技場で行うことのできる都市はない。(唯一の例外がパリのパルク・デ・プランスとサンドニのスタッド・ド・フランスである)
 貧困が話題となる南アフリカであるが、スタジアムには恵まれている。1995年にラグビーのワールドカップを、9都市9会場で開催し、今回のサッカーのワールドカップでは9都市10会場で行われる。サッカーのワールドカップの開催都市となる9都市のうち7都市では15年前にラグビーのワールドカップも開催しているが、このうち15年前と同じ競技場はブルームフォンテーンのフリーステイト競技場、ヨハネスブルクのエリスパーク競技場、プレトリアのロフタス・バースフェルド競技場の3つだけであり、それ以外の4都市は15年前とは別の競技場でサッカーのワールドカップを迎える。
 さらに、ヨハネスブルクはエリスパークとサッカーシティで試合を行う。同一都市の2つの競技場で試合を行うのは、1986年メキシコ大会のメキシコシティ、グアダラハラ、モンテレー以来のことでなる。

■釜山の姉妹都市、西ケープ州での再戦

 このケープタウンの地でフランスがワールドカップの開幕を迎える相手はウルグアイである。フランスもウルグアイもともに優勝経験国である。優勝経験国同士がグループリーグで戦うことは珍しく、2002年大会のイングランド-アルゼンチン、ウルグアイ-フランス戦以来のこととなる。そしてフランスとウルグアイは2002年の釜山での戦いに続いて、8年ぶり2回目のグループリーグでの対戦となる。ちなみに釜山も港町であり、ケープタウンのある西ケープ州と釜山は姉妹都市であり、奇遇な縁を感じずにはいられない。

■プレーオフを同じスコアで勝ち抜いたフランスとウルグアイ

 ウルグアイは南米予選の最終戦で、4位争いのライバルのアルゼンチンと直接対戦したが、0-1で敗れ、5位にとどまり、北中米・カリブ海地域4位のコスタリカとプレーオフを戦った。第1戦をアウエーで1-0と勝利したウルグアイはホームの第2戦では1-1のドローで、本大会出場を決める。ちなみにこのプレーオフのスコアは、アイルランドと戦ったフランスもまったく同じであり、これも何かの縁であろう。(続く)

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