第1620回 プレーオフ組み合わせ決定(3) 過去1年間無敗ながらもプレーオフが苦手なウクライナ

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■過去1年間無敗のウクライナ

 プレーオフの相手はウクライナ、そしてフランスは第2戦をホームで戦うことになった。このプレーオフの抽選結果について悲観的な意見と楽観的な意見がある。
 まず悲観論はフランス代表との勢いの違いである。9月の段階のFIFAランキングではフランスよりも下位にあったが、フランスを抜いて上位シードに滑り込んだ。ウクライナの10月の戦績はワールドカップ予選を2試合戦い、ポーランドに1-0、サンマリノに8-0と連勝している。10月の成績だけを見ればフランスも2戦2勝であるが、ランキングは直近の戦績だけで変動するわけではない。ウクライナは今年になってから10試合戦い、8勝2分と負け知らずである。引き分けは9月10日のワールドカップ予選のイングランド戦と6月2日のカメルーンとの親善試合のみ、それ以外の8試合はすべて勝利している。
 ウクライナが最後に敗れたのは昨年10月16日のホームでのワールドカップ予選のモンテネグロ戦のことである。ウクライナは今大会の予選の立ち上がりは悪く、初戦はアウエーでイングランドに先制しながら追いつかれて引き分け、第2戦はモルドバとスコアレスドロー、そして第3戦がこのモンテネグロ戦であり、2分1敗という状況で始まったが、それ以降の7試合は6勝1分という成績で2位になっている。ウクライナは昨年の欧州選手権の開催国であるが、本大会前の親善試合でも負けが先行し、本大会では第1戦のスウェーデン戦に勝利したものの、続くフランス戦、イングランド戦に連敗、そして夏の親善試合ではチェコとスコアレスドローと、ワールドカップ予選の第3戦のモンテネグロ戦までの10試合の戦績は2勝3分5敗という散々な成績であった。そのモンテネグロ戦の次の昨年11月14日のブルガリアとの親善試合以降の11試合の戦績は9勝2分、完全に生まれ変わったと言えるであろう。

■FIFAランキングを昨年12月の47位から20位まで上昇させたウクライナ

 この結果としてFIFAランキングは上昇の一途をたどり、昨年12月の時点でのFIFAランキングは47位、この時点で今回プレーオフ出場した8か国の中ではアイスランドの90位(現在は46位)に次いで2番目に低い位置にいたが、そこから20位まで上昇させた。ちなみにこの段階でのフランスのFIFAランキングは17位、そこからフランスはじわりじわりと後退し、9月には25位まで順位を下げたが、10月の連勝で21位に戻したという次第である。昨年10月以来1年間無敗という勢いはフランスにとっては脅威であり、昨年の欧州選手権、さらにはそれまでの対戦時とは異なるチームであると覚悟すべきであろう。

■プレーオフ巧者のそろった上位シード陣

 一方、楽観論はウクライナの持つ勝負弱さである。今回、フランスが対戦する可能性があったポルトガル、ギリシャ、クロアチアはワールドカップ予選、欧州選手権予選のプレーオフで無類の強さを誇る。クロアチアはこれまでに3回のプレーオフを戦い、3回とも勝ち抜いて本大会に出場している。ポルトガルも2回プレーオフを戦い、2回とも勝ち抜き、ギリシャは1回だけプレーオフを戦っている。それが前回のワールドカップ予選であり、その時の相手がウクライナであり、ギリシャが勝利している。このようにクロアチア、ポルトガル、ギリシャはプレーオフ巧者であると言える。

■過去4回のプレーオフでいずれも敗退しているウクライナ

 それに比べてウクライナのプレーオフの戦績は惨憺たるものである。前回のワールドカップ予選のギリシャとのプレーオフ、ウクライナは第1戦をアウエーでスコアレスドローに持ち込み優位な立場でホームゲームを迎えることになったが、第2戦はドネツクで0-1と敗れてしまう。2002年のワールドカップ予選は本大会で準優勝することになるドイツにプレーオフで敗れ、2000年欧州選手権予選はスロベニアにプレーオフで敗れている。また1998年ワールドカップ予選はプレーオフでクロアチアに敗れ、初出場をプレゼントした。これまでにワールドカップ予選、欧州選手権予選で7回敗退しているうちの4回がプレーオフでの敗退というウクライナ、5回目のプレーオフの相手はフランスである。(この項、終わり)

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