第2271回 2018年ワールドカップ展望 (1) 欧州から出場する14チーム

 読者の皆様、あけましておめでとうございます。連載を開始して17回目の新年を迎えました。
 7年前の東日本大震災、2年前の平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、すべての日本の皆様に激励の意を表します。
 本年もよろしくご愛読のほどお願いいたします。

■欧州地区の9つの予選グループの結果

 今年は4年に1度のワールドカップイヤー、今回から新春特集として今年のワールドカップを占ってみたい。
 まずは32か国の顔ぶれである。今回フランスはプレーオフを経験しないで本大会出場を決めたために、欧州地区の代表も含め、本連載では紹介の機会がなかった。
 欧州地区のグループAは第2シードのフランスが首位となり、第3シードのスウェーデンが2位に入りプレーオフに回り、第1シードのオランダは3に沈み予選落ちとなった。欧州地区の各グループの結果であるがグループBは首位がポルトガル(第1シード)、2位がスイス(第2シード)、グループCは首位がドイツ(第1シード)、2位が北アイルランド(第3シード)、グループDは首位がセルビア(第3シード)、2位がアイルランド(第4シード)、グループEは首位がポーランド(第3シード)、2位がデンマーク(第2シード)、グループFは首位がイングランド(第1シード)、2位がスロバキア(第2シード)、グループGは首位がスペイン(第1シード)、2位がイタリア(第2シード)、グループHは首位がベルギー(第1シード)、2位がギリシャ(第3シード)、グループIは首位がアイスランド(第2シード)、2位がクロアチア(第1シード)である。

■安泰ではなかった上位シード国

 このようにみるとシード順通りになったのは9グループ中3グループだけであり、安泰ではなかった。特にグループDに至っては第1シードのウェールズは3位、第2シードのオーストリアは4位に沈んでいる。首位突破を決めた9チームのシード順ごとの内訳は第1シードが5チーム、第2シードが2チーム、第3シードが2チームである。

■8チームだけが出場できるプレーオフ

 そして2位以内に入ってもプレーオフが待っている。各グループの2位チーム9つのうち成績の良い8チームがプレーオフに出場し、ホームアンドアウエー形式で戦い、勝者4チームが本大会出場となる。
 今回の欧州予選出場国は54チーム、6チームずつ9つのグループに分かれたが、54チームのうちコソボとジブラルタルは組み合わせ抽選が行われた後にFIFAに加盟し、予選参加が認められたという経緯がある。そのため、プレーオフ出場を決める場合、従来の大会でチーム数が異なる場合に使用される「最下位チームとの対戦を除いた成績」で比較した。実際にはすべての2位チームは最下位チームに連勝しており、単純に比較した場合と結果は同じになったが、グループFのスロバキア(最下位チーム以外との戦績が4勝4敗)がプレーオフに届かなかった。

■プレーオフを勝ち抜いた4チーム

 プレーオフはスイス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、北アイルランド、クロアチア、デンマーク、スウェーデンの8チームが出場、この時点のFIFAランキング上位のスイスからイタリアまでの4チームがシードされ、第2戦をホームで行うアドバンテージを得た。スイス-北アイルランド、ギリシャ-クロアチア、アイルランド-デンマーク、イタリア-スウェーデンの組み合わせとなった。右記チームのホームで第1戦、左記チームのホームで第2戦が行われた。この結果、スイス、クロアチア、デンマーク、スウェーデンが本大会の出場権を獲得したが、下位シードチームが健闘し、スイス以外は下位シードのチームが競り勝った。劣勢を予想されたスウェーデンはイタリアを下し、イタリアは60年ぶりに予選で敗退した。また、フランスは2006年大会予選から4大会連続して同じ予選グループから2チームが本大会に出場する。
 この結果、欧州から出場するチームはフランス、ポルトガル、ドイツ、セルビア、ポーランド、イングランド、スペイン、ベルギー、アイスランドの首位突破9チーム、スイス、クロアチア、デンマーク、スウェーデンのプレーオフ勝者4チーム、そして開催国ロシアの14チームとなったのである。(続く)

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