第2359回 ベルギーに勝利、決勝進出(1) 南米勢が消え、準々決勝はベルギー戦

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■準決勝の相手はブラジル-ベルギー戦の勝者

 ウルグアイに2-0と勝利して準決勝一番乗りを決めたフランス、準決勝の相手は勝利の直後にキックオフされたブラジル-ベルギー戦の勝者である。グループリーグでは苦戦しながらも首位をキープしたブラジル、3連勝して首位突破したベルギーであったが、決勝トーナメント1回戦では逆にブラジルは難敵メキシコに2-0と完勝し、調子をあげたが、ベルギーは日本にアディショナルタイムの逆転ゴールでようやく勝利をものにするという対照的な試合内容であった。

■前半に2点を先行したベルギー、王国ブラジルを倒す

 2002年大会の決勝トーナメント1回戦でもブラジルが勝利しており、ブラジル優勢と思われた戦いであったが、ベルギーは日本戦で露呈した3バックシステムの弱点を修正し4バックシステムでこの戦いに臨む。またブラジルに対してはカウンター狙い、そして最前線のロメル・ルカクをターゲットに早い球出しを行う。ルカクは2トップを組むエデン・アザールにボールを供給しアザールが前線でボールをキープしつつシュートチャンスを待つという展開が続いた。その中で13分にはベルギーのマルーアン・フェライニのシュートがブラジルのDFに当たり、CKを得る。ベルギーのCKは日本戦での活躍で先発に抜擢されたナセル・シャドリ。シャドリの蹴ったCKはブラジルのフェルナンジーニョの肩に当たりオウンゴールとなる。1点リードされて攻勢に出たブラジルに対し、ベルギーはカウンターの体制をとる。31分には日本戦のアディショナルタイムのプレーが再現した。ブラジルのCKをトビー・アルデルバイレルトがクリアし、このボールをルカクが確保、ルカクはドリブルで突進する。ルカクは前方のケビン・デブライネにパス。デブライネのシュートはゴールの隅に突き刺さり、ベルギーが2点をリードするという意外な展開となる。
 前半はベルギーが2-0とリードして折り返したが、ボール支配率、シュート数などはブラジルがやや優勢な数字を残していた。後半、2点をリードされたブラジルは積極的に攻める。また選手交代もブラジルは早めに仕掛け、完全に攻めるブラジル、守るベルギーという構図となる。焦りの見られるブラジルであったが、76分にようやくレナト・アウグストがフィリペ・コウチーニョのクロスをヘディングで押し込み、1点差とする。ここからは完全にコートの半分で試合が行われ、ブラジルがベルギーのブロックをこじ開けようとするが、なかなか得点は生まれない。5分間のアディショナルタイムでもネットは揺れず、ブラジルはベルギーの3倍の27本のシュートを放つも名手チボー・クルトワを中心とするベルギー守備陣を崩せず、4位に終わった自国開催の雪辱を果たすことはできず、ベスト8で姿を消してしまったのである。

■32年ぶりの準決勝進出となったベルギー

 ベルギーは2002年大会でのブラジル戦敗戦を含め、これまでワールドカップでは南米勢と4回対戦し、1勝3敗であったが、ブラジルに勝利して2勝目をあげた。ベルギーは2002年ワールドカップ以降はワールドカップも欧州選手権も予選落ちが続いていたが、前回の2014年ワールドカップで久しぶりに主要大会の本大会に出場する。その2014年ワールドカップでは決勝トーナメントに進出し、準々決勝でアルゼンチンに敗れ、2016年欧州選手権も予選を勝ち抜き、オランダと共同開催した2000年大会以来の本大会出場、順調に勝ち進んだが準々決勝で伏兵ウェールズに敗れ、2大会連続で準々決勝で屈していたが、その壁を破ったのである。ベルギーのワールドカップでの準決勝進出は1986年大会以来実に32年ぶりのことである。

■欧州勢が四強独占

 そしてこの日は準々決勝の最初の2試合が行われたが、ウルグアイがフランスに敗れ、ブラジルもベルギーに敗れている。南米勢も姿を消し、この時点で残っている6チームは全て欧州勢となった。欧州勢がベスト4も独占することになり、これは2006年ドイツ大会(イタリア、フランス、ドイツ、ポルトガル)以来のことであり、今回が5回目のことである。(続く)

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