第3100回 第2戦でデンマークと対戦 (1) UEFAネーションズリーグで連敗したデンマーク

 おかげさまで第3100回の連載を迎えることになりました。連載開始以来21年で3100回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■豪州戦に完勝も、ルカ・エルナンデスがチームから離脱

 11月22日の第1戦でフランスは豪州に先制を許しながら、アドリアン・ラビオのゴールで追いつき、その後は得点を次々と決めて4-1と終わってみれば、完勝した。さらにベテランのオリビエ・ジルーが2得点、ティエリー・アンリと並んで代表通算51得点でトップに並んだ。4年前のロシアのカザンでは、フランスと豪州はPKで1点ずつ得点をあげ、終盤に豪州のオウンゴールでフランスがようやく勝利したのと比べれば、楽に勝利できた。
 しかし、心配要素もある。それは9分に負傷したルカ・エルナンデスである。結局、ルカ・エルナンデスは右ひざ前十字靭帯断裂となり、ワールドカップだけではなく、今シーズンは絶望となってしまった。豪州戦だけを考えれば、弟のテオ・エルナンデスがより攻撃的な位置でプレーし、得点を演出したことも事実であるが、カリム・ベンゼマに続き、2人がフランス代表から去ったのは、最大7試合という長丁場の戦いには痛手である。さらに、スコアの上では完勝であったが、左サイドでテオ・エルナンデスがよいパフォーマンスを示したのとは対照的に、右サイドのバンジャマン・パバールは精彩を欠く内容であった。

■4年前はグループリーグ最終戦で対戦したデンマーク

 そしてフランスの第2戦の相手はデンマークである。デンマークも豪州と同様であり、4年前のグループリーグの最終戦で対戦している。フランスは豪州、ペルーに連勝して決勝トーナメント進出を決めていた。対するデンマークは、ペルーに勝利、豪州と引き分けて勝ち点4で2位、最終戦で引き分け以上で決勝トーナメント進出決定、勝利すれば首位突破となる。決勝トーナメント進出を手中にしたフランスは第1戦、第2戦とメンバーを大幅に入れ替える。主力組で出場したのはラファエル・バラン、エンゴロ・カンテ、アントワン・グリエズマン、ジルーくらいであり、スティーブ・マンダンダのようにワールドカップにデビューする選手もいた。試合内容は低調なものにとどまり、スコアレスドローに終わり、首位フランス、2位デンマークとなって両チームが決勝トーナメントに進む。その後、フランスは優勝、デンマークは決勝トーナメント1回戦で、準優勝することになるクロアチアにPK戦で敗れている。

■欧州予選を圧倒的な成績で勝ち抜いたデンマーク

 それから4年、フランスもデンマークの欧州予選を勝ち抜いて本大会で再び顔を合わせる。デンマークは欧州予選を9勝1敗という成績で突破した。予選でデンマークは最終戦のアウエーのスコットランド戦で敗れただけであり、得点30、失点3、得失点差+27という圧倒的な成績であった。欧州予選は10のグループに分けて行われたが、5チーム(8試合)のグループが5つ、6チーム(10試合)のグループが5つあったが、勝ち点を3しか落とさなかったのは10試合戦ったデンマークとドイツだけであった。ドイツもデンマークと同じ9勝1敗であり、得点36、失点4、得失点差+32とデンマークをしのぐが、1敗は3試合目のホームでの北マケドニア戦である。

■6月と9月UEFAネーションズリーグではデンマークに連敗

 欧州予選の成績が5勝3分というフランスにとって、デンマークを脅威に感じるのは予選での成績ではない。それは本連載でも紹介した通りUEFAネーションズリーグでフランスとデンマークは開幕節と最終節で対戦し、連敗しているのである。6月3日のスタッド・ド・フランスでの試合は1-2、9月25日のコペンハーゲンでの試合は0-2とフランスは2試合とも敗れてしまった。最終戦はデンマークにとっては首位、フランスは最下位の可能性のある中でのキックオフという大一番となったが、フランスは敗れてしまう。同じグループのオーストリア-クロアチア戦の結果により、デンマークは首位にならず、フランスも最下位を免れたが、4年前のワールドカップのグループリーグとは違い、プレッシャーのかかる状態の試合で負け、大きなショックとなったのである。(続く)

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