第3104回 グループリーグ最終戦はチュニジアに敗戦 (2) 両国ともメンバーを大幅に入れ替えて対戦

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■首位通過をほぼ手中にしているフランス

 グループリーグの第1戦と第2戦で連勝し、決勝トーナメント進出を決めたフランスは、第3戦はターンオーバー制を採用し、メンバーを大きく変更する。首位通過であれば中3日の12月4日にグループCの2位チームと対戦、2位通過であるならば中2日の12月3日にグループCの首位チームと対戦する。グループCの最終戦はグループDの最終戦よりも遅く行われるため、決勝トーナメント1回戦の相手はわからないが、首位で通過したい。
 最終節を迎える段階でのグループDの順位を確認すると首位がフランスで2勝(勝ち点6)、2位が豪州で1勝1敗(3)、3位にチュニジアとデンマークで1分1敗(1)、フランスは引き分け以上で首位通過となり、フランスがチュニジアに敗れ、豪州がデンマークに勝利した場合、勝ち点6で並び、得失点差等の勝負となる。この時点の得失点差はフランスが+4、豪州が-2であり、6ポイントの差があり、フランスはほぼ首位通過を手中にしていると考えてよいだろう。

■デンマーク戦から先発9人を入れ替えたフランス

 フランスは決勝トーナメントに照準を合わせ、ターンオーバー制を採用する。先発メンバーを紹介するとGKはスティーブ・マンダンダ、DFは右からアクセル・ディザジ、ラファエル・バラン、イブラヒマ・コナテ、エドゥアルド・カマビンガ、MFは3人、中盤の底にオーレリアン・チュアメニ、その前方の右にユスフ・フォファナ、左にジョルダン・ベレトゥ、FWは右にキングスレー・コマン、左にマテオ・ゲンドウジ、中央にランデル・コロムアニという陣容である。
 第2戦に引き続いて先発したのはバランとチュアメニのみ、実に9人を入れ替えてきた。このチームの主将を務めるのはバランである。またマンダンダは37歳247日であり、フランス代表史上最年長での出場となった。ちなみにこれまでの記録は2000年9月のイングランド戦に出場したGKのベルナール・ラマの37歳148日である。そしてディザジはこれが代表初先発となる。最前線のコロムアニはこのチーム唯一の東京オリンピック出場選手であり、日本の皆様はよくご存じであろう。

■フランスに勝利すれば決勝トーナメントの可能性のあるチュニジア

 対戦相手のチュニジアはフランスに勝利することが決勝トーナメント進出への条件である。豪州-デンマーク戦が引き分けに終われば決勝トーナメント進出となる。またデンマークが勝利した場合はデンマークとの得失点差の争いとなる。チュニジアの先発メンバーであるが、GKはアイメン・ダーメン、DFは3バックで右からヤシン・メリアフ、ナデル・ガンドリ、モンタサル・タルビ、MFは6人、低い位置は右からワジディ・ケシュリダ、エリス・スキリ、アイサ・ライドゥニ、アリ・マールール、高い位置には右にアニス・ベンスリマネ、左にモハメド・ベンロムダン、FWは1トップでワフビ・ハズリである。
 こちらも第2戦の豪州戦から6人を入れ替えてきた。チュニジアの場合はターンオーバーというよりは、豪州戦では押し気味に試合を進めながら0-1で敗れており、フランス戦での必勝を期すメンバーを起用したとみるべきであろう。
 チュニジアの先発メンバーで最前線のハズリはモンペリエに所属、本連載の読者の皆様はよくご存じであろう。このほかにタルビもフランスのクラブのロリアンに所属している。

■フランスがアフリカの代表チームの中で最初に対戦したチュニジア

 これまでフランスとチュニジアの対戦は4回、いずれも親善試合での対戦であり、2勝2分という成績である。1978年のワールドカップ・アルゼンチン大会を控えたトゥールーズで対戦したのが最初の対戦である。実はチュニジアはフランスが初めて対戦したアフリカの代表チームなのである(1972年にアフリカ選抜とフランス代表がブラジルで対戦している)。
 チュニジアにとってメンバーを落としてきたフランスは歴史的な初勝利のチャンス、そしてそれは初めての決勝トーナメントへの道に続くのである。(続く)

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