第3670回 ワールドカップ2026年大会展望(3) 特別な第1シードに入ったフランス

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■キュラソー、ウズベキスタン、ヨルダン、カーボベルデが初出場

 前回までの本連載では本大会の出場権を獲得した国とプレーオフに臨む国を紹介したが、今大会は出場国数が48と拡大したこともあり、これまでに出場したことがない国、久しぶりの出場となる国も含まれている。
 まず、現時点で初出場となる国であるが、中南米カリブ海のキュラソー、アジアのウズベキスタン、ヨルダン、アフリカのカーボベルデの4か国である。また、欧州プレーオフに16か国、大陸間プレーオフに6か国が出場しており、欧州のコソボとアルバニア、中南米カリブ海のスリナム、オセアニアのニューカレドニアが初出場を目指して戦う。このようにみるとこれまでのサッカーの中心であった欧州と南米は今大会の本大会出場国数がそれほど増えなかったこともあり、新顔が少ないと言えるだろう。

■52年ぶりの出場となるハイチはフランスからの独立国

 そして久しぶりの出場となるのがハイチである。1974年の西ドイツ大会以来13大会ぶりの出場となる。なお、大陸間プレーオフを戦うコンゴ民主共和国も出場すれば同大会以来であるが、当時はザイールという国名で出場していた。
 一方、第1回大会から23大会連続で出場しているのがブラジルである。南米予選では苦戦したが、サッカー王国は常にワールドカップの主役である。これに続くのがドイツ、西ドイツ時代も含むと1954年のスイス大会から19大会連続での出場となる。なお、1950年大会は敗戦国のドイツはFIFAへの復帰が認められていなかった。前回大会優勝のアルゼンチンは1974年の西ドイツ大会から14大会連続、これに続くのが1978年のアルゼンチン大会から13大会連続のスペイン、1986年のメキシコ大会から11大会連続の韓国である。
 また、今大会もフランスから独立した国が多い。アフリカについてはサハラ以南ではセネガルとコートジボワール、マグレブ3国のモロッコ、チュニジア、アルジェリアの5か国はフランスを宗主国としている。マグレブ3国がそろって本大会に出場するのはこれが最初のことである。それ以外に、中南米カリブ海のハイチは1804年にフランスから独立、世界で最初の黒人による共和国である。そして、大陸間プレーオフでニューカレドニアが勝ち抜けば、フランスの海外県・海外領土としては初めての快挙となる。

■FIFAランキング順にシード順を決定

 48か国による本大会は4チームずつの12のグループに分けて、グループリーグを行い、各グループの2位以内の24チームと3位のチームの中で成績の良い8か国の合計32か国が決勝トーナメントに臨む。
 出場国を増加させたことによって多彩な国が登場することになり、組み合わせ抽選会の時点で出場が決まっていない国も6か国あるが、シード順は開催国をトップシードに入れ、それ以外はこの時点のFIFAランキングによって決められた。また、プレーオフから出場する国は最下位の第4シードに組み込まれた。
 この結果、第1シードは米国、メキシコ、カナダの開催3か国に加え、FIFAランキング順にスペイン、アルゼンチン、フランス、イングランド、ブラジル、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ドイツが入った。第2シードはクロアチア、モロッコ、コロンビア、ウルグアイ、スイス、日本、セネガル、イラン、韓国、エクアドル、オーストリア、豪州となる。第3シードはノルウェー、パナマ、エジプト、アルジェリア、スコットランド、パラグアイ、チュニジア、コートジボワール、ウズベキスタン、カタール、サウジアラビア、南アフリカとなる。第4シードはヨルダン、カーボベルデ、ガーナ、キュラソー、ハイチ、ニュージーランドの6か国に加え、プレーオフの勝者の6か国となる。

■順当に首位通過すれば準決勝まで強豪と当たらないフランス

 組み合わせ抽選に当たり、この時点のFIFAランキングの上位4チームが順当に勝ち進んだ場合は決勝や準決勝まで対戦しないように考慮された。すなわち、この時点でFIFAランキング3位のフランスはグループ首位で決勝トーナメントに進出すれば、スペイン、アルゼンチン、イングランドの所属するグループの首位チームとは準決勝まで対戦しないという特別な第1シードとなったのである。(続く)

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