第3672回 ワールドカップ2026年大会展望(5) 最大の難関となる初戦のセネガル戦

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■3大会連続でグループリーグを首位通過しているフランス

 前回の本連載ではフランスのグループリーグの組み合わせを紹介したが、フランスがどこまで勝ち進むかを予想してみよう。
 まず、フランスの組み合わせ抽選時のFIFAランキングは3位、フランスの入ったグループIで首位通過で決勝トーナメントに進出すると、準決勝までスペインの所属するグループHの首位通過チーム、決勝までアルゼンチンの所属するグループJの首位チーム、イングランドの所属するグループLの首位チームと対戦しないのである。したがって、フランスはグループリーグで首位通過したい。準優勝だった前回大会、優勝した前々回大会、準々決勝で敗れたその前の大会もグループリーグは首位で突破している。

■唯一の対戦が2002年ワールドカップの開幕戦となるセネガル

 まず、フランスは初戦のセネガル戦には注意したい。多くのファンにとってセネガルには苦い思い出がある。意外なことにフランスがセネガルを試合をしたことは1回しかない。それが2002年のワールドカップの開幕戦である。当時のワールドカップは前回優勝国は予選無しで出場することができ、さらに開幕戦に登場していた。フランスは自国開催の1998年大会の優勝国であり、予選免除で2大会連続出場、そして5月31日に韓国の京城での開幕戦に臨む。対戦相手はセネガル、アフリカ勢の中でも初出場、そしてこの時点のFIFAランキングもグループ内で最下位、直前の親善試合でジネディーヌ・ジダンを負傷で欠くとは言え、前回覇者が連覇に向けてスタートダッシュするには格好の相手と目された。

■ブルーノ・メス率いるセネガルがフランスを倒す

 セネガルは登録選手23人のうちフランスのクラブの選手は20人、率いる監督はフランス人のブルーノ・メスである。セネガルはパペ・マリク・ディオップのあげた1点を守り切り、フランスに勝利した。フランスは第2戦のウルグアイ戦ではティエリー・アンリが前半22分にレッドカードで退場、スコアレスドローに持ち込むのがやっとであった。そして第3戦のデンマーク戦、ジダンを強行出場させたフランスであるが、0-2と敗れる。前回覇者は無得点で敗退したのである。
 これがフランスにとって最初で最後のセネガル戦であった。フランスはこれまでに約90の国や地域と対戦してきたが、勝利を記録していないのはこのセネガルだけである。24年ぶりの対戦で初勝利をあげ、一気に決勝トーナメントへの道を切り開きたいところである。
 ここで、セネガルには思わぬ援軍が現れた。それがこのたびニューヨーク市長に就任したゾーラン・マムダニ氏である。ウガンダ生まれのマムダニ市長はイングランドのアーセナルのファンとして有名であるが、ウガンダ出身でアフリカサッカーへの造詣も深い。人類学者の父親がちょうどセネガルのダカールに勤務していた際にマムダニ市長はセネガルがフランスを破った試合を見ており、今回もセネガルやエジプトに期待している。フランスとセネガルの試合会場はニューヨーク近郊のニュージャージー州のイーストラザフォード、NFLのニューヨークの2チーム(ジェッツとジャイアンツ)が本拠地とするスタジアムにマムダニ市長が姿を表すことは想像に難くない。

■セネガル戦の後は、大陸間プレーオフ・パス2の勝者とノルウェーと対戦

 このセネガル戦さえ乗り切れれば、残り2試合は難しくないであろう。大陸間プレーオフ・パス2はボリビアとスリナムの勝者がイラクと対戦する。この中でフランスが対戦歴があるのはボリビアのみ、2019年に親善試合をナントで行い、第2508回の本連載で紹介した通り、フランスが2-0と勝利している。
 ノルウェーとはこれまで15戦し、フランスが7勝4分4敗と勝ち越している。タイトルマッチは1990年ワールドカップ予選が最後であるが、その後の親善試合は1勝2分1敗と五分の成績である。気をつけたいのはこれまでフランスとノルウェーはワールドカップ、欧州選手権の予選で5回同じグループになったが、フランスは1回しか予選を突破したことがないことである。(続く)

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