第1108回 ワールドカップに臨む23人(1) ファン期待の復活組は予備登録にも選ばれず

■5月11日に予備登録30人を発表

 5月15日にフランスリーグが終わると、一気にワールドカップモードに入る。ワールドカップに向けて3月3日にスペインと親善試合を行ったのが、フランス代表チームとしての最後の活動機会であり、それ以降、各選手は所属するクラブでリーグ戦、カップ戦、そして欧州カップを戦ってきた。
 リーグ最終節を控えた5月11日にフランス代表は候補選手30人を発表した。この日はFIFAの定める予備登録の締切日である。呼び登録の上限は30人であり、予備登録された選手は5月17日から23日まではチャンピオンズリーグ決勝とFAカップの決勝を除き、クラブでの活動を禁止される。
 この30人を絞り込み、最終メンバー23人が6月1日までに決定される。

■ファンが期待するパトリック・ビエイラのカムバック

 さて、5月11日の予備登録メンバーであるが、注目はこれまで何回も復活を期待されていたパトリック・ビエイラの復活はなるか、そしてレイモン・ドメネク監督との確執によりメンバーから外されたカリム・ベンゼマ、フィリップ・メクセス、サミール・ナスリなどが再びチャンスを与えられるかどうか注目の的であった。人材の豊富なフランスにおいて、監督との不一致によりメンバーをはずされる選手がいても不思議ではない。しかしながら、3月3日のスペインとの親善試合の際は24人を招集したが、0-2と完敗、相手が欧州チャンピオンとはいえ、不安と不満の残る試合であった。現在のフランス代表の状況を勘案すれば、ファンからはこれらの人材を呼び戻す声が圧倒的である。
 ところが今回も世論は敗れた。ドメネク監督が発表した30人のリストにはこれらの名前はなかった。

■スペイン戦に出場したDFの半数が外れる

 GKはウーゴ・ロリス、スティーブ・マンダンダ、セドリック・カラッソ、ミカエル・ランドローの4人、スペイン戦のメンバーに30歳のランドローが加わった形になる。ランドローは過去3年間代表での試合に出場していない。
 DFはパトリス・エブラ、ロッド・ファンニ、バカリ・サーニャ、アディル・ラミ、アントニー・レベイエール、ウィリアム・ギャラス、エリック・アビダル、セバスチャン・スキラッチ、マルク・プラニュス、ガエル・クリシーの10人である。スペイン戦とは大幅な入れ替えになった。ギャラス、アビダル、スキラッチの3人はスペイン戦の際は負傷で戦列から離れており復帰、レベイエールは久しぶりの復活、クリシーは昨年10月のオーストリア戦以来の復帰である。また、プラニュスは代表初招集である。
 一方、スペイン戦から4人も外れた。スペイン戦でストッパーのコンビを組み、無様な失点を喫したジュリアン・エスクーデとミカエル・チアニはメンバーリストから抹消された。そしてジャン・アラン・ブームソンは怪我を抱えており、アリー・シッソコは所属クラブのリヨンでの活躍も少ないことから外されてしまう。スペイン戦に出場した4人のDFのうち2人しか南アフリカ行きのチャンスがないという状況である。

■19歳のヤン・エムビラが代表初招集

 MFはラッサナ・ディアラ、ジェレミー・トゥーララン、ヨアン・グルクフ、フローラン・マルーダ、フランク・リベリー、ハテム・ベンアルファ、シドニー・ゴブー、アルー・ディアラ、アブー・ディアビ、ヤン・エムビラ、マチュー・バルブエナの11人であるが、スペイン戦は負傷で離脱していたアルー・ディアラとディアビがカムバックし、19歳のエムビラは初招集、バルブエナは2008年3月のイングランド戦の際に招集されながら負傷でベンチ入りできなかったとき以来のフランス代表入りである。一方、ムッサ・シソッコはクラブでの成績、ブノワ・シェイルーは負傷のため外れた。
 FWはニコラ・アネルカ、ティエリー・アンリ、ジブリル・シセ、アンドレ・ピエール・ジニャック、ジミー・ブリアンの5人であり、スペイン戦は負傷でメンバーから外れたジニャックが復帰、ブリアンは昨年3月のリトアニア戦以来の代表入りであり、ロイック・レミが外れた。
 何人かの新戦力は加わったが、ファンの待望する選手のカムバックは実現しなかったのである。(続く)

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