第1472回 チャンピオンズリーグ第4節(1) パリサンジェルマンに出現した17歳の新星

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■一気に冬が接近する諸聖人の休暇明けに行われる第4節

 前回までの本連載では諸聖人の休暇の間に行われたBNPパリバ・マスターズではフランス勢が躍進したが、準決勝でミカエル・ロドラとジル・シモンが敗れ、フランス勢の決勝進出はならなかった。しかし、今年もこの短いバカンスの間にフランス人はこのテニスのトーナメントに熱狂し、バカンスが終わり、また職場へ、キャンパスへと戻ってきた。この短いバカンスの間に今年もサマータイムが終了し、一気に日が短くなり、冬の到来を感じさせる。
 そしてバカンス明け早々に行われたのがチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの第4節である。第3節については本連載の第1467回と第1468回で紹介したが、この第3節と第4節での同じ相手との連戦でグループリーグ突破の成否が決まってしまうと言っても過言ではないであろう。

■フランス勢で一番有力なパリサンジェルマン

 チャンピオンズリーグについては第3節が終了した段階で青信号はパリサンジェルマンだけ、リールとモンペリエは限りなく赤信号に近い黄信号である。
 第4節はまず火曜日の11月6日にグループAのパリサンジェルマンとグループBのモンペリエが登場する。ここまで2勝1敗のパリサンジェルマンは本拠地パルク・デ・プランスにクロアチアのディナモ・ザグレブを迎える。第3節ではパリサンジェルマンがアウエーゲームを苦とせず、2-0と勝利している。パリサンジェルマンは国内リーグで首位ではあるものの、直前のホームでのサンテチエンヌ戦で黒星を喫し、ファンのお目当てのズラタン・イブラヒモビッチがレッドカードで退場している。イブラヒモビッチはチャンピオンズリーグのディナモ・ザグレブ戦には出場、地元ファンの前で2試合連続で無様な姿を見せるわけにはいかない。

■ズラタン・イブラヒモビッチ、全4得点に絡む大活躍

 パリサンジェルマンの意気込みがキックオフ直後から明確であり、パリサンジェルマンは相手ゴールにシュートのシャワーを浴びせる。対するディナモ・ザグレブはここまで3連敗と元気がなく、序盤のパリサンジェルマンの攻勢をしのいだ後、攻めるものの、パリサンジェルマンの守備を崩すことはできない。16分にはチャンピオンズリーグでは得点力抜群のイブラヒモビッチが先制点を演出する。イブラヒモビッチのクロスをアレックスが右足でシュート、先制点をあげる。ここから試合は完全にパリサンジェルマンのペースとなる。前半はこの1点だったものの、後半に入ると61分にブレーズ・マツイディ、65分にジェレミー・メネス、80分にギヨーム・オラオとフランス代表選手が次々と得点を重ねる。そしてこれらすべての得点はイブラヒモビッチがアシストしたものであり、イブラヒモビッチは得点こそ挙げることはできなかったものの、その存在感を示した。大型補強したビッグネームのそろうパリサンジェルマンであるが、イブラヒモビッチに次ぐ注目を集めた選手がいた。

■下部組織上がりの17歳、アドリアン・ラビオ

 それは昨年から今年にかけてカタール資本のこのクラブが国内外から移籍させた大物選手ではない。この試合がチャンピオンズリーグ初出場となったアドリアン・ラビオである。弱冠17歳のラビオはパリサンジェルマンの下部組織育ちの選手であり、昨季までユースチームに所属していたが、今夏カルロ・アンチェロッティ監督によってトップチームに引き上げられ、プロ契約、シーズン前の米国遠征にも帯同している。ここまでリーグ戦には4試合出場、先発はデビュー戦となった8月26日のボルドー戦だけである。パリサンジェルマンのかつての名GKジョエル・バツを彷彿させるヘアースタイルのこの少年MFは、攻撃の起点として存在感は十分。高いパスの成功率は特筆すべきものがある。今までこのような若きタレントはイングランドへと渡ってしまったが、ビッグクラブであるパリサンジェルマンはそう簡単にはこの若者を手放さないであろう。スウェーデンの大御所的プレーヤーと若武者の活躍でパリサンジェルマンは決勝トーナメントに大きく接近したのである。(この項、続く)

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