第2217回 若手の活躍でオランダに大勝(2) フランスのクラブに所属する3人のオランダ代表

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■残る日程で唯一の上位陣との対戦となるオランダ戦

 24人で臨む8月31日のオランダ戦、9月3日のルクセンブルク戦、この国内での2試合で連勝することはワールドカップに向けて大きく前進することになる。特にオランダは勝ち点3でフランスを追っており、この直接対決に負ければ勝ち点で並び、得失点差で後塵を拝すことになってしまう。第2戦の相手のルクセンブルクとの力関係、さらに10月にはブルガリアとのアウエーゲーム、ベラルーシとのホームゲームが残っており、上位国との直接対決はこのオランダ戦が最後である。このような残りの日程を考えれば、第1戦のオランダ戦に100%のエネルギーを注ぎ込んでも足りないくらいであろう。
 オランダとは昨年10月10日にアムステルダムで対戦し、フランスが1-0と勝利している。つまりこの結果が現時点でのフランスとオランダとの差になっており、オランダはアウエーでの勝利に執念を燃やしてくる。

■フランス戦に臨むオランダ代表

 前回の本連載ではフランスのメンバーを紹介したが、今回はオランダのメンバーを紹介しよう。GKはヤスパー・シレッセン、マールテン・ステケレンブルフ、イェルーン・ズートの3人、DFはナタン・アケ、ダレイ・ブリント、ベスレイ・フート、マタイス・デ・リフト、カリム・レキク、ケニー・テテ、ジョエル・フェルトマン、ステファン・デ・フライの8人、MFはドニー・ファン・デ・ベーク、マルコ・ファン・ヒンケル、トニー・ビリェナ、デイビー・プロッペル、ウェスレイ・スナイデル、ケビン・ストロートマン、ジョルジニオ・ワイナルドムの7人、FWはメンフィス・デパイ、バス・ドスト、フィンチェント・ヤンセン、ロビン・ファン・ペルシー、クインシー・プロメス、アリエン・ロッベンの6人である。

■昨年秋の対戦では出場していなかったウェスレイ・スナイデルとアリエン・ロッベン

 これら24人のうち、昨年10月のフランスとの試合に先発出場した選手はわずかに6人である。なかでも当時ロッベンとスナイデルが負傷しており、メンバーから外れていた。欧州のビッグクラブでの経験を十分に持つこの2人が出場しなかったことが、アムステルダムでの敗戦の理由にはなるであろう。本連載でも紹介したとおり、スナイデルはトルコのフェネルバフチェから今季ニースに移籍してきた。移籍直後のシーズン当初は試合に出場しなかったが、初出場となった第3節のギャンガン戦では活躍し、チームの今季初勝利に貢献した。他方、チャンピオンズリーグのプレーオフのナポリ戦で敗退しており、まだ力を見せていないスナイデルにとってはスタッド・ド・フランスで目覚めた姿を見せたいところである。

■リヨンに所属するケニー・テテとメンフィス・デパイ

 そしてスナイデル以外にも今季フランスリーグに移籍してきた選手がいる。アヤックス・アムステルダムからリヨンに加わったテテである。21歳のテテは本来は右サイドであるが、それ以外のポジションもこなす。イタリアのインテルミラノも獲得に手をあげ、長友佑都の去就に影響を与えたことは日本のファンの皆様であればよくご案内のことであろう。結局は4年契約でリヨンに移籍し、試合に出場している。
 そしてリヨンにはもう1人のオランダ代表がいる。それがFWのデパイである。PSVアイントホーヘンで育ち、プロ契約し、2015年からはイングランドのマンチェスター・ユナイテッドに所属していた。シーズン途中の今年1月にマンチェスター・ユナイテッドからリヨンに移籍し、コンスタントに出場している。2014年のワールドカップにも出場し、若手選手として高い評価を受けている。昨年10月のフランス戦には先発メンバーではなかったが、前半の早い時間帯に負傷したプロメスに代わって出場している。
 これらフランスサッカーを知る3人がスタッド・ド・フランスでの試合のカギを握るであろう。(続く)

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