第3619回 チャンピオンズリーグ開幕(3) マルセイユ、アウエーでレアル・マドリッドに敗れる

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■パリサンジェルマンの優勝でかすんだマルセイユの偉業

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグのリーグフェーズの組み合わせを紹介した。フランス勢3チームの中で最初に登場したのはマルセイユ、9月16日に初戦を迎える。フランス勢としてこれまで唯一のチャンピオンズリーグ優勝を果たしたマルセイユであるが、ライバルのパリサンジェルマンが優勝した。チャンピオンズリーグ優勝を果たしたマルセイユであるが、国内リーグでの八百長事件により、インターコンチネンタルカップ出場などの権利を剝奪されている。一方、パリサンジェルマンはUEFAスーパーカップに出場し、ヨーロッパリーグ優勝のトッテナム・ホットスパーに勝利、また、チャンピオンズリーグ優勝が直接の出場理由ではなかったが、インターコンチネンタルカップの流れをくむクラブワールドカップに出場し、準優勝を果たしており、同じチャンピオンズリーグ優勝でもマルセイユの偉業はかすんでしまった。マルセイユは3季ぶりのチャンピオンズリーグ出場、前回はグループリーグで最下位となって敗退している。

■マルセイユの初戦の相手はシャビ・アロンソ新体制のレアル・マドリッド

 今季はライバルのパリサンジェルマンを超える成績を残したいところであるが、第1戦はアウエーで第1シードのレアル・マドリッドと、最も厳しい相手と最も厳しい条件での戦いとなる。
今季のマルセイユ、本連載の第3602回で国内リーグ戦の開幕戦の模様を紹介したが、このチャンピオンズリーグの初戦を迎えるまでのリーグ戦の成績は2勝2敗、直前のロリアン戦は4-0と快勝しているが、勝利はいずれもホームゲーム、アウエーでは連敗である。
一方のレアル・マドリッド、昨季のチャンピオンズリーグは準々決勝でアーセナル(イングランド)に連敗、監督がシャビ・アロンソに代わり、シーズン終了後のクラブワールドカップから新体制がスタートする。グループリーグを首位で突破、決勝トーナメントに入ってからもユベントス(イタリア)、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)という欧州の強豪を倒し、準決勝でパリサンジェルマンと対戦するが、0-4と大敗を喫したことは本連載第3582回で紹介した。準決勝で大敗したとはいえ、シャビ・アロンソ新体制は上々のスタートを切り、スペインリーグでも開幕以来4連勝でチャンピオンズリーグの開幕を迎えた。

■レアル・マドリッドのミスからマルセイユが先制

 マドリッドのサンチャゴ・ベルナベウ競技場は7万4000人の観衆であふれるが、そのうち4000人はマルセイユのファンである。フィールド上はレアル・マドリッドが白、マルセイユが青のユニフォームで初戦を迎える。マルセイユは1トップにピエール・エメリク・オーバメヤン、トップ下にはマット・オライリーと新加入選手を起用する。イングランドのブライトンからレンタルで移籍してきたオライリーはロンドン生まれであるが、デンマーク代表を選択した。対するレアル・マドリッドのトップはキリアン・ムバッペ、第二列にはロドリゴなどが並ぶ。
試合はレアル・マドリッドが優勢に進め、6分にはフランコ・マスタントーノのシュートがポストに当たり、マルセイユのファンは肝を冷やす。その後もレアル・マドリッドがシュートを浴びせるが、21分、中央付近でマルセイユのグリーンウッドがアルダ・ギュレルからボールを奪いそのまま前進、ペナルティエリアに入ろうかというところで右サイドを駆け上がってきたティモシー・ウェアにパス、ウエアのシュートが決まってマルセイユが先制する。

■退場者を出しながらもPK2本で逆転勝利したレアル・マドリッド

 攻勢のレアル・マドリッドは27分にロドリゴが左サイドからペナルティエリアに侵入、これをマルセイユの選手が倒してしまい、PKとなり、ムバッペが左側に決める。 後半に入って68分、アウトオブプレー中にマドリッドの主将のカルバハルがマルセイユのGKヘロニモ・ルジに頭突き、VARの判定でレッドカード、レアル・マドリッドはピンチを迎える。
 レアル・マドリッドは試合巧者であった。マルセイユにボールを持たせ、守備を固める。79分にはビニシウスがペナルティエリア内に入ったところをタックルしたファクンド・メディーナがハンドを取られる。ムバッペが同じコースに蹴り、ルジはボールにタッチしたもののゴールイン。マルセイユは1-2で敗れたが、手ごたえをつかんだのである。(続く)

このページのTOPへ