第3620回 チャンピオンズリーグ開幕(4) チャンピオンズリーグの常連になったアタランタ

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■新型コロナウイルスの感染拡大で準々決勝以降をリスボンで集中開催

 前回の本連載はフランス勢の中で最初にリーグフェーズに登場したマルセイユがアウエーでレアル・マドリッド(スペイン)に逆転した模様を紹介したが、今回は2日目の9月17日に登場するパリサンジェルマンが対戦するイタリアのアタランタを紹介しよう。 パリサンジェルマンとアタランタはこれまでに1回だけ対戦したことがある。それが2019-20シーズンのチャンピオンズリーグである。このシーズンは3月に新型コロナウイルスの感染拡大が起こり、世界中のサッカーのスケジュールの日程が混乱した。パリサンジェルマンは3月にボルシア・ドルトムント(ドイツ)との決勝トーナメント1回戦を勝ち抜いたところで大会は中断される。しかし、8月に準々決勝に進出した8チームがポルトガルのリスボンに集まって1回戦制の決勝トーナメントを行った。

■チャンピオンズリーグ初出場のアタランタを準々決勝で止めたパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンの初戦、すなわち準々決勝の相手がアタランタであった。アタランタはこの大会がチャンピオンズリーグ初出場、グループリーグのシード順は最下位の第4シードであり、グループリーグ3連敗で折り返すが、後半戦は勝ち点を重ね、マンチェスター・シティ(イングランド)に次いで2位となり、決勝トーナメントに進出する。決勝トーナメント1回戦ではスペインのバレンシアに連勝して、中断期に入る。
 リスボンでの準々決勝で両チームは対戦する。この大会のミラクルとなったアタランタが先制点を奪い、89分過ぎまで1-0とリードする。しかし、89分47秒にマルキーニョスが同点ゴール、さらにアディショナルタイムには交代出場したマキシム・シュポ・モティンがキリアン・ムバッペのパスを受けて逆転ゴールを決める。奇跡のチームを止めたのがパリサンジェルマンであった。

■チャンピオンズリーグ初出場以降、常連となったアタランタ

 アタランタはチャンピオンリーグに初出場した翌季の2020-21シーズンもチャンピオンズリーグで決勝トーナメントに進出、次の2021-22シーズンもチャンピオンズリーグに出場し、グループリーグで3位となってヨーロッパリーグの決勝トーナメントに転戦、準々決勝に進んでいる。このシーズンは国内リーグで8位にとどまり、2022-23シーズンは欧州カップに出場できなかったが、国内リーグで5位と挽回する。
 2023-24シーズンはヨーロッパリーグに参戦する。そしてあれよあれよと勝ち進み、決勝に進出し、ドイツのバイエル・レバークーゼンをアイルランドのダブリンのアビバ競技場で3-0と下して、初めての欧州タイトルを獲得した。
 チャンピオンズリーグの優勝チームのレアル・マドリッド(スペイン)とのスーパーカップ(0-2で敗戦)で始まった2024-25シーズンはヨーロッパリーグ優勝チームということでチャンピオンズリーグに出場する。新方式となった大会のリーグフェーズで本戦ストレートインに1つ順位の足りない9位となる。リーグフェーズ8試合の得失点差(+14)だけであれば、バルセロナの+15に次ぐ2位であったが、勝ち点が1及ばなかった。プレーオフ出場の最下位である24位のクラブ・ブルージュ(ベルギー)とのプレーオフでは連敗し、残念な結果となった。
 一方、このシーズンは国内では過去最高に並ぶ3位となり、今季もチャンピオンズリーグに出場する。初出場からの7シーズンで5回目のチャンピオンズリーグ出場となり、シード順も第2シードまで上昇させてきた。

■両チームとも無敗で臨むチャンピオンズリーグ初戦

 そのように力を蓄えてきた相手をパリサンジェルマンはパルク・デ・プランスで迎えることになった。アタランタは今季の国内リーグでは2試合引き分けが続き、直前のレッチェ戦で4-1と初勝利をあげ1勝2分でチャンピオンズリーグ開幕を迎える。イタリアよりも1週間早く始まったフランスリーグでパリサンジェルマンは4戦全勝、シーズン開幕直前のUEFAスーパーカップも含めれば土つかずの状態で連覇に向けてスタートラインにつくのである。(続く)

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