第2733回 第2回UEFAネーションズリーグ開幕(10) 10月の3連戦に向けた24人のメンバー発表

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■フランスとポルトガルが連勝スタート

 前回までの本連載では9月に開幕したUEFAネーションズカップでフランスがスウェーデンとクロアチアに連勝したことを紹介した。フランスの所属するリーグAのグループ3のその他の試合であるが、第1節ではポルトガルがクロアチアにホームで勝利、第2節でもポルトガルはアウエーでスウェーデンを下している。フランスとポルトガルが2勝、スウェーデンとクロアチアが2敗となっている。

■10月の連戦前にウクライナとの親善試合を設定

 10月には第3節と第4節が行われ、フランスとポルトガルは11日の第3節で対戦することになる。また、14日の第4節でフランスはアウエーでクロアチアに乗り込む。  欧州選手権とUEFAネーションズカップのディフェンディングチャンピオンのポルトガル、ワールドカップで優勝したフランスと近年のメジャー大会の王者同士の対戦に向けて注目が高まるところである。
 そして、この一戦の前の10月7日にウクライナと親善試合を組んでおり、フランスは8日間の間に3試合を行うというワールドカップや欧州選手権の本大会さながらのスケジュールとなった。

■3連戦にむけた24人のリスト発表

 この3連戦に向けて、10月3日にディディエ・デシャン監督は24人の選手からなるリストを発表した。GKはウーゴ・ロリス、マイク・マイニャン、スティーブ・マンダンダの3人、DFはルカ・ディーニュ、レオ・デュボワ、ルカ・エルナンデス、プレスネル・キンペンベ、クレマン・ラングレ、バンジャマン・マンディ、ラファエル・バラン、ダヨ・ウパメカノの8人、MFはエンゴロ・カンテ、スティーブン・エンゾンジ、ポール・ポグバ、アドリアン・ラビオ、エドゥアルド・カマビンガ、コランタン・トリッソの6人、FWはオリビエ・ジルー、ウィッサム・ベン・イェデル、アントワン・グリエズマン、アントニー・マルシャル、キリアン・ムバッペ、ホッサム・アウア、キングスレー・コマンの7人となった。
 9月の時に比べて全体で1人多いが、GKの3人は変わらず、DFはフェルラン・マンディが外れてパバールが入り、MFはムーサ・シソッコの代わりにトリッソとポグバが入り、1人多くなった。FWはジョナタン・イコネに代わってコマンが加わった。コマンとパバールが加入したことにより、チャンピオンズリーグで優勝したバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の選手がエルナンデス、トリッソと合わせて4人となり、最大勢力となった。24人のうち11人はチャンピオンズリーグのファイナル8といわれるリスボン(ポルトガル)で行われた準々決勝以上に出場したクラブに所属する選手である。

■9月に招集された3人の新人は継続して選出

 また、9月に代表初招集となったカマビンガ、アウア、ウパメカノの3人は引き続き選出された。ウパメカノは3バックを採用したこともあり、スウェーデン戦とクロアチア戦にはいずれもフル出場した。カマビンガはクロアチア戦の終盤に出場し、17歳303日と戦後では史上最年少の選手としてフランス代表の試合に出場するという新記録を更新した。ちなみにフランス代表の創成期には1906年にジュリアン・ベルブルッヘが16歳310日、1914年にモーリス・ガスティゲが17歳128日で出場している。カマビンガが9月の代表選に出場できたのはポグバが新型コロナウイルスで陽性となったため、メンバーから外れたことに起因するが、ポグバ復帰後もカマビンガは代表のリストの中に残っており、首脳陣の期待の大きさがわかる。
 一方、9月の試合では代表に選出された翌日に新型コロナウイルスで陽性反応となり、メンバーから外れてしまったのがアウアである。アウアは9月27日のリーグ戦のロリアン戦から復帰し、代表招集にされた翌日に行われたマルセイユ戦ではゴールを決めており、代表戦デビューへのデモンストレーションとなった。
 この3連戦では親善試合も組まれていることもあり、この3人、さらには第3GKとしてまだ代表の試合に出場したことのないマイニャンにもチャンスがあるかもしれないのである。(続く)

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