第3255回 アイルランドに勝利し、5連勝(3) オーレリアン・チュアメニの活躍で5連勝

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■パルク・デ・プランスに集まった1984年欧州選手権優勝メンバー

 ラグビーワールドカップのためにパルク・デ・プランスで開催されたアイルランド戦、4万3000人の観客の中には約1700人のアイルランドからのファン、そして1984年欧州選手権の優勝メンバーがいた。フランス代表はマルセイユでのポルトガルとの死闘を制し、パルク・デ・プランスで行われた決勝ではスペインに2-0と勝利し、フランスサッカーが初めてメジャータイトルを獲得した。優勝監督となったミッシェル・イダルゴを記念するセレモニーがこのパルク・デ・プランスで行われたアイルランド戦の2日前に行われたことはまさに良いタイミングであったであろう。

■序盤から圧倒したフランス、オーレリアン・チュアメニが先制点

 試合はキックオフ直後からフランスが攻め立てる。3分にはアドリアン・ラビオが25メートルの距離からシュートを放つ。5分にはCKのチャンスをつかみ、左サイドからアントワン・グリエズマンが長いキックを蹴る。これはアイルランドの守備陣にヘディングでクリアされたものの、クリアしたボールをキリアン・ムバッペがハーフボレーでシュートする。所属クラブのパリサンジェルマンでは契約関係がこじれてシーズンインが遅れたが、その調整の遅れを感じさせない動きを見せる。
 15分にフランスは好位置でFKを得る。キッカーはグリエズマン、ゴールから30メートルの距離、グリエズマンは直接ゴールを狙い、アイルランドのGKガビン・バズヌがパンチングでクリアする。次々とアイルランドのゴールを襲うフランス攻撃陣が得点を奪うのは時間の問題であった。19分にウスマン・デンベレが右サイドからクロスを入れる。アイルランドの主将のDFジョン・イーガンがヘディングでクリアするが、これを左サイドのムバッペが拾い、オーレリアン・チュアメニにパス、チュアメニは右足でシュート、アイルランドのGKバズヌも届かず、フランスが先制点を決める。

■オリビエ・ジルーが負傷退場、代わって入ったマーカス・テュラムが追加点

 幸先よく先制点を奪ったフランスであったが、アクシデントに見舞われる。24分、テオ・エルナンデスに対し、オリビエ・ジルーはイーガンと競り合い、落下した際にひざを痛める。ジルーが倒れこんだままとなり、そのまま交代となる。なお、ジルーはこの負傷により、チームを離脱することになった。
 ジルーに代わってピッチに入ってきたのがマーカス・テュラムである。ジルーが退いてからフランスは若干ペースダウンして試合を進めるが、常にイニシアティブを持って試合を支配し、前半は1-0のまま折り返す。
 後半に入って立ち上がりの48分、フランスはテュラムとグリエズマンがパス交換しながら前進する。ペナルティエリア内に入ってテオ・エルナンデスにパス、テオ・エルナンデスはクロスをあげて、ムバッペがシュートする。このシュートはアイルランドのダフィにブロックされるが、そのこぼれ球をテュラムが右足で決めて追加点となった。テュラムはこの試合が代表11試合目、ようやく待望の初ゴールである。

■5戦全勝、無失点のフランス

 一方のアイルランドは全く攻撃の機会がなかったが、ようやく51分にアダム・イダがシュートを放つが、マイク・メニャンが難なくさばく。
 その後もフランスはチャンスをつかみ、アイルランドのゴールを襲うが、チュアメニのシュートはGKのバズヌに止められ、デンベレのシュートはポストに当たってしまう。後半アディショナルタイムに入ってもフランスは攻め続けるがテュラムのヘディングシュートはわずかに枠を外れ、チュアメニのパスを受けたキングスレー・コマンのシュートもゴールには至らなかった。
 最終スコアは2-0のままであったが、フランスはこれで欧州選手権予選5連勝である。ワールドカップと欧州選手権の予選を通算して20戦無敗と記録を伸ばした。そして、決して楽な相手だけではないグループBで唯一の無失点を続けているのである。(この項、終わり)。

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