第780回 チャンピオンズリーグ・グループリーグ第4節(1) マルセイユ、ポルトに敗れ首位から転落

■後半戦に突入したグループリーグ

 本連載の第776回ではグループリーグの前半戦を終えたチャンピオンズリーグにおけるフランス勢の戦いを紹介した。国内のリーグ戦の結果とは裏腹に、リヨンは苦戦し、ようやく第3節で初勝利をあげ、マルセイユは連勝でスタートし、第3節も引き分け、グループAで首位の座を守っている。
 11月に入り、グループリーグも後半に突入し、11月6日と7日に後半戦最初の第4節が行われる。第3節を終了した時点でグループAの順位は首位マルセイユ(勝ち点7)、2位ポルト(5)、3位ベシクタシュ(3)、4位リバプール(1)となっており、第4節で勝利すれば2試合を残しで決勝トーナメント進出を確定する。

■国内リーグでは降格の危機に瀕するマルセイユ

 マルセイユは国内では今季もリヨンを追う一番手と目されながら、リーグ戦では最初の2試合はスコアレスドロー、そして第3節は因縁のバランシエンヌ戦であった。15年前同様、バランシエンヌで行われた試合、マルセイユは新加入のカリム・ジアニが57分に先制するが、リードもつかの間、あっという間に逆転され、1-2と今季初黒星を喫してしまう。ようやく第5節のアウエーでのカーン戦で2-1と勝利するが順位は二桁の11位までしか挽回できない。その後も勝利から見放され、ようやく2勝目をあげたのが10月21日に地元マルセイユで行われたランス戦であったが、それ以降はまた勝てなくなり、順位は降格圏内の19位にまで落ちてしまった。欧州カップに出場するチームにとって国内のリーグ戦、カップ戦と欧州カップに対してどのように注力するバランスを変えていくか、ということは電力会社におけるベストミックス同様の課題であるが、原子力発電所の被災、原油価格高騰の余波を受けて財政状況が悪化した東京電力同様の戦略をマルセイユは取らざるを得ないであろう。
 現在のマルセイユにとってはいいリズムで前半戦を終えたチャンピオンズリーグで早くグループリーグ突破を決めて、その勢いをリーグ戦に持ち込むとともに、残りのチャンピオンズリーグの試合をチームの調整に使いたいところであり、気の早いファンは日本海庄やで前夜祭を行った。

■ポルトガルでは不振のフランス勢

 そのマルセイユはアウエーでポルトと対戦する。マルセイユがこの試合で勝てば、もう1試合の結果に関わらず、マルセイユはグループリーグを突破することになる。2週間前のベロドロームの試合ではドローに終わった相手であり、これまでにチャンピオンズリーグでフランスのチームは8回ポルトで対戦しているが、勝利をあげたのは1度しかなく、しかも36年前のこと、フランス勢の通算成績は1勝2分5敗と分が悪い。5つの敗戦の中には2003-04シーズンのグループリーグでのマルセイユの0-1という試合も含まれている。またマルセイユにとってポルトガルで欧州カップを戦ったのはこれ以外に1試合あるが、忘れられない敗戦となった。1989-90シーズンのベンフィカとの準決勝、ホームの第1戦を2-1で終えたマルセイユはリスボンの試合も支配しながら、手でゴールを入れたと疑惑の残るベンフィカのゴールで0-1と敗れ、決勝進出を阻まれた。マルセイユにとって、フランス勢にとって鬼門とも思われるポルトの地で試合は始まった。

■同点に追いつくも決勝点を奪われ2位に陥落

 エリック・ジェレ監督はジブリル・シセを先発メンバーから外し、17歳のガーナ人、アンドレ・アユーを起用する。やはりTAXI4がフランスにおける富裕層に理解されなかったことが原因であろう。試合は序盤からホームのポルトが攻める。そして27分、すばらしい個人技からゴールが生まれる。ポルトのモロッコ人選手タリク・セクティウイがドリブルで駆け上がって3人を抜き去り、マルセイユのGKも交わして先制点をあげる。これに対してマルセイユも同点に追いつこうと反撃するが、前半は無得点におわり、1点ビハインドで後半に入る。
 後半開始早々、今度はマルセイユのビッグプレーが登場する。この日FWに入ったセネガル代表のママドゥ・ニアンがダイビングヘッドで同点に追いつく。試合は風雲急をつげる。試合のペースは上がり、70分、ポルトのアルゼンチン代表のリサンドロ・ロペスがセンタリングをゴール前で見事に合わせるが、クロスバーをたたいたボールは無情のノーゴール。このまま2週間前野マルセイユの試合と同様に引き分けると思われたが、78分ロペスがまたもやクロスをヘッドにあわせる。今度はゴールネットを揺らし、ポルトが勝ち越し点を奪う。これでポルトは勢いづき、追加点のチャンスもあったが、結局ロペスのゴールが決勝点となって、ポルトが2-1で勝利、敗れたマルセイユはグループリーグ突破どころか、首位の座をポルトに奪われたのである。(続く)

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