第2008回 パリサンジェルマン、4年連続で準々決勝敗退(5) ボールを支配するが、終盤に失点

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■第2戦のカギを握るパリサンジェルマンの2トップ

 チャンピオンズリーグの1回戦でチェルシーに対して勝ち抜き、今季のチャンピオンズリーグのアウエーでの試合は4試合中3試合で勝利しているパリサンジェルマンであるが、イングランド勢との近年の相性は良い。一方のマンチェスター・シティも今季のチャンピオンズリーグではユベントス(イタリア)に負けただけでそれ以外は引き分け以上の成績を残している。
 パリサンジェルマン勝利のカギは第1戦とシステムを変え、2トップとなったズラタン・イブラヒモビッチとエディンソン・カバーニにどれだけボールを供給できるかどうかであろう。

■セルヒオ・アグエロがPK失敗

 試合は立ち上がりからパリサンジェルマンがボールを支配する。水色のファーストジャージーに身を包んだマンチェスター・シティはボールをコントロールすることができない。75%のボール保持率を誇るパリサンジェルマンが先にチャンスをつかむ。16分、ゴールから30メートルの位置でFKを得たパリサンジェルマンは、イブラヒモビッチが右足でゴールを狙うが、負傷欠場のバンサン・コンパニーに代わって主将を務めるジョー・ハートの手に阻まれる。
 ボールを支配しているパリサンジェルマンであるが得点機をつくることができず、シュートを放つことができない。逆にパリサンジェルマンはピンチを迎える。29分、セルジュ・オーリエがセルヒオ・アグエロに簡単に抜かれてしまい、GKのケビン・トラップがファウルを犯してしまう。主審のカルロス・ベラスコ・カルバジョ氏は迷った末にイエローカード、そしてPKを与える。先制点のチャンスとなったマンチェスター・シティであるがこのPKをアグエロがまさかの失敗、丁寧にサイドキックで蹴られたボールはゴールポストの外を通ってしまう。
 ピンチを切り抜けたパリサンジェルマンであるが、40分にもオーリエのパスミスをヘスース・ナバスがカット、そのままシュートしたが、ゴールの枠をかすかに外れ、またも救われた。その直後、パリサンジェルマンは中盤の要のチアゴ・モッタが負傷のためピッチを離れてしまう。前半のアディショナルタイムにもパリサンジェルマンはピンチを迎えるが、両チームとも無得点のままハーフタイムを迎える。

■ズラタン・イブラヒモビッチのFKを防いだジョー・ハート

 後半の立ち上がりにパリサンジェルマンはFKのチャンス、イブラヒモビッチが直接ゴールを狙うが、今度はハートがパンチングでセーブする。
 ボールを支配しながらシュートに結び付けられず、守備のミスが目立つパリサンジェルマンは61分になってこの日初めての戦術的な選手交代を行い、オーリエに代えてハビエル・パストーレを投入、併せてポジションも変える。

■ケビン・デブルイネが決勝ゴール

 しかし、この選手交代もゴールを生むことができず、逆にマンチェスター・シティは76分、CKのチャンスをつかみ、左からのダビド・シウバのCKをカバーニがクリアするが、これをフェルナンジーニョが奪い、ケビン・デブルイネが右足でシュート、低い弾道のシュートはパリサンジェルマンのGKのケビン・トラップのセービングも及ばず、先制点となった。マンチェスター・シティの歴史において欧州カップ史上最多の観客数となった53,039人の観衆は歓声をあげる。
 残り10分余りで2得点が必要となったパリサンジェルマンであるが、依然としてボールを支配するもののゴールネットを揺らすことができず、0-1で敗れる。4年連続の準々決勝敗退となった。
 このパリサンジェルマンの敗退は今後のフランスからのチャンピオンズリーグへの出場チーム数にも影響を与えた。欧州カップの成績で算出されるUEFAインデックス、フランスリーグは現在ポルトガルリーグを追って6位であるが、ポルトガルリーグはベンフィカがチャンピオンズリーグ、ブラガがヨーロッパリーグでこの時点で勝ち残っており、フランスリーグの逆転がなくなり、2017-18シーズンもフランスリーグの3位はチャンピオンズリーグの予備戦から参戦することになるのである。(この項、終わり)

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