第2558回 チャンピオンズリーグ開幕(2) リヨンはホームでドロー、リールはアウエーで完敗

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■4年前と同じ構図でグループリーグで対戦するリヨンとゼニト・サンクトペテルブルク

 フランス勢で最も期待のかかるパリサンジェルマンはチャンピオンズリーグのグループリーグでレアル・マドリッドと同じグループAに入ることとなった。
 フランス勢で最初にピッチに姿を現したのはグループG、昨季リーグ3位のリヨンである。ホームのグルーパマ競技場にロシアのゼニト・サンクトペテルブルクを迎える。両チームがチャンピオンズリーグで対戦するのは2回目のこととなる。2015-16シーズンのグループリーグでも対戦している。実は4季前も奇遇なことに今季との一致がある。実力的には第2シードのパリサンジェルマンは前年度のリーグチャンピオンとして第1シードに入り、リーグチャンピオンを逃して第2シードに回ったレアル・マドリッドと同じグループとなる。そして本来ならば第2シードのゼニト・サンクトペテルブルクがロシアリーグのチャンピオンとして第1シードに入り、リヨンと同じグループに入ったのである。
 リヨンは恵まれた組み合わせになったかに見えたが、ゼニト・サンクトペテルブルクにはホームで0-2、アウエーで1-3と連敗し、結局グループリーグでは1分5敗で最下位となり、ジェルラン競技場での最後のシーズンを飾ることができなかった。

■リヨンの新監督のシウビーニョ

 その後、リヨンは欧州でも屈指のスタジアムであるグルーパマ競技場に移り、今季からブラジル人のシウビーニョが監督となった。シウビーニョは初めて監督経験となるが、リヨンの7連覇の中心となったブラジル人のジュニーニョがスポーツディレクターとして支える。リヨンは現在リーグで3試合白星から離れて8位、決して満足のいく成績ではないが、他国のチームとの対戦で勝利してギアをあげていきたいところである。
 一方のゼニト・サンクトペテルブルクはロシアリーグでは3連勝中であり、クラスノダールと並んで首位である。
 リヨンは2年前のヨーロッパリーグのベスト8決定戦でロシアのCSKAモスクワにホームで2-3と敗れ、ベスト8への道を阻まれたが、これがリヨンの欧州カップでの本拠地での最後の敗戦である。昨年はグループリーグで1勝5分、決勝トーナメントで1分1敗という成績であり、負けの少ないチームである。逆にホームでの勝利も少なく、地元ファンに勝利を見せたい。

■チャンピオンズリーグのホームゲームで5試合連続引き分けのリヨン

 リヨンは試合の主導権を握り、シュートを放つがなかなか得点を奪うことができない。逆に前半の終盤、ゼニト・サンクトペテルブルクは直前に負傷して倒れていたイラン代表のサルダル・アズムンが右足で執念の先制点をあげる。
 これに対してリヨンは後半に入って間もない50分、相手のファウルによって得たPKをメンフィス・デパイが決めて同点に追いつく。その後もリヨンは攻め続けるが勝ち越し点を奪うことができず、1-1のまま試合は終わり、リヨンは昨年から通算してチャンピオンズリーグのホームでの試合5試合連続引き分けとなったのである。

■UEFAインデックス最下位のリール、アヤックス・アムステルダム相手に完敗

 リヨンの試合が引き分けに終わった後、昨季2位のリールが第2シードのアヤックス・アムステルダム(オランダ)とアウエーで対戦する。グループリーグに出場する32チームの中でUEFAインデックスの低いリール、チャレンジャーである。2000年代に入ってから欧州カップにはしばしば出場しているが、チャンピオンズリーグには7年ぶりの出場となり、アヤックス・アムステルダムとは初めての対戦となり、クライフのチームと対戦する7番目のフランスのチームとなった。
 黄色のユニフォームで試合に臨んだリールであるが、5万大観衆が応援するアヤックス・アムステルダムの前に沈黙してしまう。アヤックス・アムステルダムは18分にクインシー・プロメスが先制点を入れ、エドソン・アルバレス、ニコラス・タリアフィコが追加点を入れる。リールは試合を支配されながらもシュートの意欲が高かったが、無得点に終わり、0-3と完封負けを喫する。フランス勢の初日は1分1敗と勝利をあげることなく、パリサンジェルマンに願いを託すことになったのである。(続く)

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