第2702回 パリサンジェルマンとリヨン、準決勝進出 (3) 第4シードから決勝トーナメントに進出したアタランタ

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■第4シードになったグループリーグの前半戦は3連敗

 クラブ史上初めてのチャンピオンズリーグ出場を果たしたイタリアのアタランタ、グループリーグの組み合わせ抽選では第4シードとなる。なぜならば、シード順決定に使用されるUEFAインデックスは、過去の貯金がないこともあり32チーム中で下から2番目の31番目だからである。
 第4シードとして入ったグループCで第1シードのマンチェスター・シティ(イングランド)、第2シードのシャフタール・ドネツク(ウクライナ)、第3シードのディナモ・ザグレブ(クロアチア)と戦うことになったが、前半戦は番付通りでアタランタは第1戦でディナモ・ザグレブに0-4と敗れ、UEFAの規定により、収容人員の多いミラノのサンシーロ競技場で行ったホームゲームのシャフタール・ドネツク戦も1-2と逆転負け、第3戦ではプレミアリーグの覇者マンチェスター・シティに1-5と大敗し、3連敗でスタートした。
 前半を終えたところでマンチェスター・シティが3連勝(勝ち点9)、シャフタール・ドネツクとディナモ・ザグレブが1勝1分1敗(4)であり、多くのファンは最下位を覚悟したであろう。

■ミラノでマンチェスター・シティ戦で引き分け、第5戦で初勝利

 しかし、後半戦の初戦となるミラノでのマンチェスター・シティ戦はマリオ・パシャリッチのゴールで追いついて引き分けに持ち込み、シャフタール・ドネツクとディナモ・ザグレブは2試合連続の引き分けとなる。2位集団と勝ち点4の差で残り2試合を迎える。
 第5戦ではミラノでディナモ・ザグレブを破り、ついに初勝利を記録する。そして12月11日の最終戦を迎える。最終戦を迎える時点での順位は首位が確定しており、マンチェスター・シティ(3勝2分、勝ち点11)、2位はシャフタール・ドネツク(1勝3分1敗、6)、3位がディナモ・ザグレブ(1勝2分2敗、5)、4位がアタランタ(1勝1分3敗、4)である。アタランタはシャフタール・ドネツクとのアウエーでの直接対決、この試合で勝利するとシャフタール・ドネツクを勝ち点で上回る。さらにディナモ・ザグレブがホームでマンチェスター・ユナイテッドに引き分け以下の場合のみ、アタランタが2位に滑り込む。

■最終戦でシャフタール・ドネツクとの直接対決を制し、2位に入る

 ザグレブとハルキウ(シャフタール・ドネツクは治安上の問題から本拠地をドネツクからハルキウに移している)という東欧の2都市で同時にキックオフされた試合、まず、ディナモ・ザグレブがすでに首位突破を確定しているマンチェスター・シティから先制点を奪う。マンチェスター・シティは前半のうちにガブリエル・ジェズスのゴールで同点に追いつき、後半の立ち上がりにジェズスが2連続得点でハットトリックを達成し、勝利を引き寄せる。
 一方のハルキウの試合であるが、60分を経過しても両チーム無得点、このままでいくと2位をシャフタール・ドネツクがキープすることになる。しかし、66分にアタランタはティモシー・カスターニュのゴールで均衡を破る。この時点でアタランタが2位に躍り出る。追いつけば、2位の座を回復できるシャフタール・ドネツクは攻勢に出るが、逆にレッドカードで1人を失う。アタランタはその後も得点を重ね、3-0と勝利し2位に入ったのである。

■勝ち点7、得失点差マイナスで決勝トーナメントに進出

 決勝トーナメントに出場する16チームのうち、勝ち点7(2勝1分3敗)は最少の勝ち点であり、得失点差がマイナス(-4)もアタランタだけだったのである。
 1強3弱という構図になったのが功を奏し、アタランタは決勝トーナメント進出を決めた。第4シードで決勝トーナメントに進出したのはアタランタ以外にはRBライプチヒ(ドイツ)だけである。第4シードの残り6チームはすべて4位に終わっている。両チームともアタランタとRBライプチヒは近年力を伸ばしてきたチームであるため、UEFAインデックスが過少評価であったとも言えるであろう。(続く)

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