第2919回 チャンピオンズリーグ第5節 (1) 単独トップに立ったリール

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ピエール・モーロワ競技場での初勝利を目指すリール

 チャンピオンズリーグの第5節は11月下旬に行われた。フランス勢はグループGのリールはホームでレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)と23日に、グループAのパリサンジェルマンは24日にアウエーでマンチェスター・シティ(イングランド)と対戦する。フランス勢は中盤戦の第4節を終えた時点でいずれも2位と好位置にいる。
 特に、前半戦では2分1敗と勝ち星のなかったリールは第4節でセビリア(スペイン)とのアウエーゲームを2-1と制して、チャンピオンズリーグでは9年ぶりの勝利をあげて2位に浮上した。相手のレッドブル・ザルツブルクは現在勝ち点7(2勝1分1敗)で首位である。勝ち点5(1勝2分1敗)のリールは勝利すれば、首位の座に立つことができる。もし、リールが勝利すれば、それは首位に立つだけではなく、現在の本拠地であるピエール・モーロワ競技場でのチャンピオンズリーグ初勝利となる。9月29日にザルツブルクで行われた試合はレッドブル・ザルツブルクが2-1と勝利し、チャンピオンズリーグのホームゲームでの初勝利を献上している。今度はリールが欧州でトップクラスの競技場となったピエール・モーロワ競技場での初勝利をあげる番である。
 またグループGの3位はリールと同じ勝ち点5のヴォルフスブルク(ドイツ)、4位は勝ち点3のセビリアであり、もう1試合はヴォルフスブルク-セビリア戦である。もし、リールが敗れて勝ち点を獲得できなかった場合、リールは3位に順位を落とすことになる。

■フランスリーグの得点ランキングトップのジョナサン・デビッド

 リールはセビリアにアウエーで勝利した後の国内リーグ戦はアンジェ、モナコと対戦したが、いずれも引き分け、リーグ戦の順位も12位と昨季のリーグチャンピオンとしては不本意な成績が続く。しかし、2-2の引き分けに終わったモナコ戦で序盤に2得点を奪ったのがジョナサン・デビッドはこれでリーグ戦では10点目となり、得点ランキングの単独トップとなった。

■ジョナサン・デビッドが先制点

 また、リールはこれまでの4試合を失点3におさえているが、そのうち2点はPKによるものであり、PK以外での得点はセビリアのルーカス・オカンポスに許しただけである。
 3万3000人のファンの集まったピエール・モーロワ競技場、赤いユニフォーム、黒いショーツとストッキングのリールの2トップはブラク・イルマズとデビッドである。
 キックオフ後から試合を優勢に進めたのはリールであった。しかし、最初の得点機はレッドブル・ザルツブルク、11分には9月の試合で2本のPKを決めたカリム・アデイェミからパスを受けた主将のアンドレアス・ウルマーが最初のシュートを放つ。これはリールのGKのイボ・グルビッチが難なく処理する。ボール支配率で6割を超えるリールは20分に初めてのCKを獲得する。ショートコーナーを試みるが、レッドブル・ザルツブルクにカウンターアタックを仕掛けられる。
 リールはボールを支配するが、30分を過ぎてもシュートはわずかに1本、レッドブル・ザルツブルクは3本のシュートを放っている。31分、イルマズがペナルティエリア内にボールを持ちこみ、デビッドにパス。デビッドが左足でゴールネットを揺らす。リールの2本目、枠内初のシュートが先制点となった。その後もリールはボールを支配し、1点のリードで前半を終える。

■1点を守り切ったリールがグループGのトップに立つ

 後半に入ってからリールは積極的にシュートをするようになる。リードされたレッドブル・ザルツブルクも何とか追いつこうとボール支配率を高める。試合は激しくなり、67分にはゼカにイエローカード、累積警告でゼカは最終節のヴォルフスブルク戦は出場停止となる。73分にはジョナタン・バンバがシュートするがゴールライン上で防がれてしまう。7分という長いアディショナルタイムの末、リールは1点を守り切り、勝ち点3を獲得し、グループGの単独トップとなり最終節を迎えるのである。(続く)

このページのTOPへ