第2933回 次々と決勝トーナメントに進出したフランス勢(5) 4試合連続で引き分けたマルセイユ

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■欧州カップにコンスタントに出場しているマルセイユ

 前々回に紹介したリヨン、前回紹介したモナコとフランスからヨーロッパリーグに参戦したチームのうち2チームは最終節を待たずして決勝トーナメント進出を決定したが、唯一苦戦したのがマルセイユである。
 ACミラン(イタリア)と欧州のトップを争ったのは今から30年前の話である。八百長事件で2部降格の憂き目にあったこともある。2009-10シーズンにはリーグ優勝を果たし、オールドファンを歓喜させたが、近年はライバルのパリサンジェルマンに大きく引き離されている。しかし、不思議と欧州の舞台にはコンスタントに出場しており、過去10シーズン中7シーズンは欧州カップに出場、2017-18シーズンはヨーロッパリーグで準優勝している。

■前半戦は圧倒的なボール支配率も3戦連続引き分けで3位のマルセイユ

 今回も第3シードとしてグループEに入ったが、本連載第2907回で紹介した通り、前半戦はロコモティフ・モスクワ(ロシア)、ガラタサライ(トルコ)、ラツィオ・ローマ(イタリア)と3戦連続で引き分ける。いずれもボール支配率では相手を上回っており、ファンは1991年のチャンピオンズカップ決勝のレッドスター・ベオグラード(ユーゴスラビア)戦を思い出した。
 前半戦を終えて、首位はガラタサライ(勝ち点7)、2位はラツィオ・ローマ(4)、3位がマルセイユ(3)、4位がロコモティフ・モスクワ(1)である。

■前半アディショナルタイムに追いつかれ、後半序盤に逆転されたマルセイユ

 そして迎えた第4節、11月4日にベロドロームにラツィオ・ローマを6万近い観衆が迎えた。ガラタサライは夕方の試合で引き分けに終わり、マルセイユもチャンスはある。大観衆の声援に応えて13分からディミトリ・パイエが連続してシュートを放つ。31分にはVARの末、マルセイユにPKが与えられ、アルカディウシュ・ミリクが決めて先制点となる。さらにマルセイユは攻めるが、前半の長いアディショナルタイム、51分にラツィオ・ローマはフェリペ・アンデルソンのシュートがゴールインするが、直前のプレーでボールがラインの外に上がっていたということでいったんはノーゴールと判定されるが、VARの結果、ゴールが認められ、マルセイユは同点に追いつかれる。
 押し気味に試合を進めていた前半終了間際の失点、マルセイユにとっては重かった。後半が始まって間もない49分にイタリア代表のエースとして欧州選手権優勝に貢献したチロ・インモービレがマルセイユの守備陣のミスから逆転ゴールをあげる。マルセイユにとってはホームで6万観衆というこれまでにない環境での試合であったが、まさかの失点である。

■バーとポストに阻まれ、引き分けに終わったマルセイユ

 マルセイユは61分にジェンギス・ウンデルがゴール前にクロスをあげる。これが枠内に飛ぶが、ラツィオ・ローマはポストに救われ、マルセイユは同点のチャンスを逃してしまう。82分にもマルセイユはマテオ・ゲンドウジがシュートを放つものの、これもポストに跳ね返されてしまう。しかし、ゲンドウジはあきらめず、ボールを拾って今度はクロスをあげる。角度のないところであったが、パイエが競り勝ってシュート、これが決まってマルセイユは同点に追いついた。勢いに乗ったマルセイユは残された時間で再逆転のゴールを奪いたい。90分を迎えようとしたところで、右サイドDFのウィリアム・サリバがクロス、これをパイエがシュートし、ラツィオ・ローマのGK、アルバニア代表のトマス・ストラコシャは失点を覚悟したであろう。しかし、ストラコシャの上を通過したボールは今度はバーに当たり、ノーゴール。マルセイユはこれまでの試合同様に、相手を圧倒しながら4試合連続の引き分けとなった。
 グループEは順位と勝ち点差は変更なく、マルセイユは首位とは勝ち点4の差、2位とは勝ち点1の差であるが、残り試合数が2となる。マルセイユのファンにはフラストレーションがたまる結果となったのである。(続く)

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