第2942回 ベスト16が決定したフランスカップ(4) 1部上位チームが軒並みベスト16に進出

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■新型コロナ感染で選手のそろわないボルドー、ブレストに完敗

 1部勢にとって従来は年明けの参戦2戦目となるベスト16決定戦、15チームが参戦し、不戦勝となるニース以外の14チームがベスト16を目指して戦った。前回の本連載ではナショナルリーグ以下のアマチュアチームと対戦した5チームは順当勝ちだったが、2部勢との戦いは1勝2敗と負け越した。残りの6チームは1部勢同士の対戦となる。
 大西洋を望むブレストとボルドーはいずれも下位である。ただ、ブレストが秋まで降格圏内をさまよったが、晩秋からは負けがなく、順位を上げて12位で折り返したのに対し、ボルドーは低迷したままの17位で年明けを迎えた。ボルドーを襲っているのが新型コロナウイルスである。この試合も選手が21人出場できず、下部組織のアマチュア選手をかき集めてようやくキックオフにたどり着いた。戦力の差はいかんともしがたく、ブレストが試合を支配し、PKで先制し、その後も得点を重ねて3-0でボルドーを退けた。

■東京オリンピック代表のテジ・サバニエの活躍でストラスブールを下したモンペリエ

 前半戦5位のモンペリエと8位のストラスブールはモンペリエのラモッソン競技場での試合となる。すでにリーグ戦の前半戦では同じモンペリエで対戦し、1-1のドローであった。しかし、モンペリエは11月以降は上昇気流に乗り、このところ5連勝である。もっともストラスブールも勝ち越しており、さらにストラスブールは直前のクレルモン戦が悪天候のため延期となってしまい、消化試合数が1つ少ない。モンペリエの主将はゲームメーカーのテジ・サバニエ、東京オリンピックのオーバーエイジ枠のフランス代表である。日本では精彩を欠いたが、この試合はゲームメーカーとして活躍する。モンペリエは20分にミハイロ・リスティックが先制する。対するストラスブールは前半終了間際にPKを獲得したもののこれを失敗する。さらにシュートを放つものの、精度を欠き、19本のシュートのうち、枠内に飛んだのは2本だけという始末であった。モンペリエが1-0で勝利し16強入りを果たした。

■昨季リーグチャンピオンのリール、RCランスに追いつかれPK負け

 昨季リーグ優勝を果たしたリールはチャンピオンズリーグでもグループリーグを首位で突破したが、国内リーグでは苦しい戦いが続く。前半戦を終えて8位である。リールはアウエーでリーグ9位のRCランスと北部ダービーで16強入りを争う。ライバル相手にリールは前半はボール支配率で下回るものの、好機を活かしてシュートし、29分と33分にアマドゥ・オナナが連続ゴールをあげる。
 しかしリールは2点のリードを守り切れなかった。RCランスは後半に入って67分にセコ・フォファナが1点を返し、後半のアディショナルタイムの95分にはCKから再びフォファナにゴールを許し、追い付かれてしまう。試合はその1分後にホイッスルが吹かれ、PK戦となる。5人目まで終わったところで両チーム1人ずつ失敗、サドンデスとなり、先蹴のリールは6人目のレナート・サンチェスが失敗、RCランスはフォファナが成功させて、チームを勝利に導いたのである。
 1部勢は16強にはちょうど半分の10チームが勝ち残った。前半戦の成績の首位パリサンジェルマン、2位ニース、3位マルセイユ、5位モンペリエ、6位モナコ、7位ナント、9位RCランスと上位チームが軒並み勝ち残ったのである。

■名選手を多数輩出しているナショナル2部リーグのベルサイユ

 一方、ベスト16に残ったチームの中で最も低いリーグに所属しているのはナショナル2部のベルジュラック・ペリゴールとベルサイユである。ベルジュラック・ペリゴールはベスト32決定戦で1部のメッスを破ったことを本連載第2939回で紹介した。一方、ベルサイユは世界的に名高い観光地であるが、近年多くのトップ選手を生んでいるパリ近郊にあり、多くの有名選手が若い時期に所属している。ティエリー・アンリ、ジェローム・ロタン、アマラ・シンバ、現役ではハテム・ベンアルファなど錚々たる名前が並ぶ。ベスト16に進出したメンバーから第二のアンリは生まれるのであろうか。(この項、終わり)

このページのTOPへ