第2502回 フランスリーグファイナル(4) 2位リール、3位リヨン、4位サンテチエンヌ

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■順位を守りたい上位陣

 前回の本連載で紹介した第36節で2位のリールと3位のリヨンがともに勝利し、4位のサンテチエンヌが5位のモンペリエに敗れたことから、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグをめぐる争いは、リールとリヨンの勝ち点差が6、リヨンとサンテチエンヌ、サンテチエンヌとモンペリエの勝ち点差がそれぞれ4となった。
 残り2試合となった時点でリヨンは勝ち点でリールに追いつくことは可能であるが、得失点差は14も開いており、現実的に2位に入ることは不可能に近い。3位を守り、予備戦からではあるがチャンピオンズリーグへの出場権を確保したい。そのためには第37節で4位のサンテチエンヌと同等以上の結果を残せばよい。残り2試合となった第37節からはすべての試合が同時にキックオフ、5月18日21時にリヨンはカーンを迎え、サンテチエンヌはニースを迎える。リヨンの相手のカーンは18位、アウエーゲームとはいえ何とか勝ち点をあげて2部降格を免れたい。またサンテチエンヌとモンペリエの関係もリヨンとサンテチエンヌの関係と同様であり、サンテチエンヌはモンペリエと同等以上の結果であれば4位以上を確保できる。5位モンペリエはナントを迎える。

■後半に爆発したリヨンの攻撃陣

 リヨン、サンテチエンヌ、モンペリエとも今季最後のホームゲームとあってたくさんのファンが集まった。リヨンのグルーパマ競技場にも5万1000人以上の観客が集まったが、なかなかゴールが生まれない。一方、サンテチエンヌでは26分にロベール・ベリッチが先制点を決める。常にシーズン10得点以上を記録している点取り屋であるが、今季はこれが8点目、体調を崩したこともあり、久しぶりの先発でファンの期待に応えた。またモンペリエはナントに先制を許す。
 この試合前、ハンガリーのブダペストでは女子のチャンピオンズリーグ決勝が行われ、リヨンはスペインのバルセロナに4-1と勝利し、4年連続6回目の欧州女王となっている。女子の活躍に刺激されないわけがない。後半に入ってすぐにリヨンはメンフィス・デパイがゴールを奪うとマクスウェル・コルネ、ムーサ・ダンベレ、再びデパイがゴールを重ね、4-0と大勝し、3位を確保する。

■3年ぶりのヨーロッパリーグとなるサンテチエンヌ

 サンテチエンヌも後半に得点を重ね、3-0と勝利して4位をキープ、来季はヨーロッパリーグに参戦する。3月以降に勝ち星を重ねたサンテチエンヌは3年ぶりに欧州の舞台で戦うことになる。
 4位までは順位が確定し、首位のパリサンジェルマン、2位のリールがチャンピオンズリーグの本戦、3位のリヨンがチャンピオンズリーグ予備戦3回戦、4位のサンテチエンヌがヨーロッパリーグ予備戦3回戦にそれぞれ出場することになる。

■安全圏に入ったモナコ、パリサンジェルマンに大敗したディジョン

 一方、下位の状況であるが、16位のアミアンと17位のモナコが直接対決する。ここまでホームでは3勝6分9敗とリーグ最低の成績のモナコが本拠地最終戦でラダメル・ファルカオ、アレクサンドル・ゴロビンというスター選手が得点をあげて2-0と勝利、モナコがアミアンに代わって16位となる。モナコは勝ち点を36とし、18位のカーンとの勝ち点差は3となり、大敗したカーンとの得失点差は7となる。モナコは最終節でカーンに勝ち点で並ばれても得失点差でほぼ残留を確定した。
 19位のディジョンにとっては厳しいカードが用意された。アウエーのパリサンジェルマンである。国内最強チームも2月以降は精彩を欠く戦いが続く。優勝を決めてからもリーグ戦では1勝1分1敗と状況は変わらない。ホーム最終戦ということで、この日は優勝記念セレモニーも控えている。このところボール支配率は相手を圧倒するが、ゴールを決められないというパリサンジェルマンは、この日は元に戻った。3分にアンヘル・ディマリアが先制、4分にはエディンソン・カバーニが追加点で試合を決める。その後もキリアン・ムバッペが2得点、久しぶりの4得点で快勝し、優勝セレモニーに花を添えた。一方、敗れたディジョンは18位以下が確定、降格争いは最終節まで続くのである。(続く)

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