第2313回 パリサンジェルマン、リーグカップ5連覇 (1) 史上初の2年連続同一カードの決勝

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■リーグ戦開催日に行われたリーグカップ決勝

 フランス代表の試合が3月23日と27日に行われた次の週末の3月31日と4月1日にはリーグ戦の第31節が行われた。2週間ぶりのリーグ戦に国内各地が盛り上がったが、3月31日の夜にはリーグカップの決勝が行われた。決勝に進出したのは本連載第2286回で紹介したとおり、パリサンジェルマンとモナコである。モナコの第31節のレンヌ戦は火曜日の4月4日に行われたが、パリサンジェルマンの第31節のアンジェ戦は第30節が行われる前の3月13日に前倒しして行われた。リーグ首位のパリサンジェルマンはアンジェに勝利したことからさらに勝ち点を重ね、2位との勝ち点差を17に広げた。

■今季はパリサンジェルマンの後塵を拝すモナコ

 その2位がモナコである。昨季はパリサンジェルマンと国内タイトルを分け合い、チャンピオンズリーグでもパリサンジェルマンよりもいい成績を残したが、今季はチャンピオンズリーグではグループリーグで惨敗、国内に目を転じると、リーグ戦では2位でありながらパリサンジェルマンに大きく差をつけられ、フランスカップではベスト16決定戦でリヨンに敗れてしまっている。一方のパリサンジェルマンはチャンピオンズリーグでは決勝トーナメント進出、フランスカップでも勝ち残っている。すなわち、モナコが意地を見せてパリサンジェルマンよりも良い成績を残すことができるのはこのリーグカップだけである。リーグカップは現在パリサンジェルマンが4連覇中である。昨年の決勝戦はモナコを4-1と一方的なスコアで退けている。

■2年連続同一カードの舞台はボルドーのマットミュット・アトランティック競技場

 さて、昨年からリーグカップの決勝はスタッド・ド・フランスを離れることになった。昨年の決勝はリヨンで行われたが、今年はボルドー、来年はリールである。最近できた新しいスタジアムが決勝戦の会場に選ばれ、ボルドーのマットミュット・アトランティック競技場は2015年に完成し、2016年の欧州選手権にも使用された。
 パリサンジェルマンはこれが9回目の決勝進出となるが、決勝戦では滅法強く、2000年にグーニョンに敗れた以外7回は栄冠をつかんでいる(1998年はボルドーをPK戦で下す)。一方のモナコは4回目の決勝戦であり、これまで3度の決勝で勝利したのは2003年だけであり、2回目の優勝を目指す。
 決勝戦が2年連続で同一カードとなるのはリーグカップ史上初めてのことである。フランスカップでも今から30年以上前の1987年のマルセイユ-ボルドー戦までさかのぼらなくてはならない。

■フランス-コロンビア戦の再戦となるキリアン・ムバッペとラダメル・ファルカオ

 ボルドーで行われる決勝戦であるが、抽選の結果パリサンジェルマンがホーム扱いとなる。ロッカーやベンチの位置はパリサンジェルマンが通常ボルドーが使用しているものを使用したが、ユニフォームはパリサンジェルマンが紺、モナコは赤と白と両チームともファーストユニフォームである。
 さて両チームの先発メンバーを紹介しよう。パリサンジェルマンのGKはケビン・トラップ、DFは右からダニエウ・アウベス、チアゴ・シウバ、プレスネル・キンペンベ、ユーリ・ベルチチェ、MFは右からマルコ・ベラッティ、アドリアーノ・ラビオ、ユリアン・ドラクスラー、FWは右にキリアン・ムバッペ、左にアンヘル・ディマリア、中央にエディンソン・カバーニである。
 対するモナコのGKはダニエル・スバシッチ、DFは右からジブリル・シディベ、カリム・グリック、ジェメルソン、アンドレア・ラッジ、MFは右からファビーニョ、ジョアン・モウチーニョ、ユーリ・ティーレマンス、FWは右にトマ・ルマール、左にロニー・ロペス、中央にラダメル・ファルカオである。
 1週間前のフランスとコロンビアの親善試合にはパリサンジェルマンからムバッペ、モナコからはフランスのシディベとルマール、コロンビアのファルカオが出場している。この再戦も楽しみである。(続く)

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