第816回 2008年アフリカ選手権(8) ガーナ、コートジボワールを下し3位に、優勝はエジプト

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■カメルーンの一撃に泣いたガーナ

 準決勝は2月7日の18時からアクラでガーナ-カメルーン戦、そして同日の21時30分からクマシでエジプト-コートジボワール戦が行われた。ガーナの監督はクロード・ルロワ、そしてコートジボワールの監督はジェラール・ジリと4強の半数をフランス人監督が占め、フランス人監督同士が決勝で戦う可能性もある。
 アクラで試合を行うガーナ、カメルーンともこれまでにアフリカ王者に4回輝いたことがある。また、この両国はアフリカ選手権では2回対戦したことがあるが、1982年は0-0、2000年は1-1といずれも引き分けに終わり、今回こそ雌雄を決することになる。開催国のガーナはこの日も熱狂的な大観衆の前での試合となった。ガーナは準々決勝から中3日で移動なし、カメルーンは中2日の上に移動があり、ガーナは有利な条件で決勝を目指す。そしてガーナが試合を支配する。しかし、前半を終了した時点で両チーム無得点であり、後半に突入する。そして72分、4万5000人の観衆にとって信じられない瞬間が訪れた。防戦一方のカメルーンが逆襲に転じる。途中出場のアラン・エンコンが値千金のゴールを決める。この一撃にルロワのガーナは沈み、開催国としての優勝を果たすことはできなかった。

■前回決勝戦の再現となったエジプト-コートジボワール戦

 開催国が決勝進出を阻まれたその後にクマシで行われたエジプト-コートジボワール戦は、前回大会の決勝戦の再現となった。前回大会ではエジプトがPK戦の末に勝利し、地元開催、地元優勝を飾り、最多の5回の優勝を果たしている。今大会もエジプトはグループCではカメルーンを押さえて首位、準々決勝でもアンゴラに勝利してきた。コートジボワールはグループリーグでは3戦全勝、準々決勝も大勝し、ここまで4連勝、13得点でわずかに1失点と抜群の成績を誇り、16年ぶり2回目の優勝を狙う。ジリはかつてエジプト代表の監督も務めた経験があり、コートジボワール優勢と言う前評判であった。
 この試合はエジプトが組織的な戦いを見せる。12分に先制、さらに後半に入って62分に追加点を上げる。コートジボワールは失点後のキックオフからすぐさまリヨンに所属するカデル・ケイタがゴールし、1点差に詰め寄る。ところがエジプトは67分にゴールし、得点差はまた広がる。さらに後半ロスタイムの92分には決定的な4点目を奪われ、コートジボワールは2年前のエジプトでの雪辱を果たすことはできなかった。
 この結果、7人中4人が決勝トーナメント、さらに2人が準決勝に進出したフランス人監督は決勝に進出することはできず、3位決定戦を争うことになったのである。

■フランス人監督同士の戦いに勝ったガーナは3位に

 3位決定戦はアクラではなくクマシで行われ、開催国のガーナにとっては失意の都落ちという形になったが、スタジアムのキャパシティはアクラよりも大きく、大観衆が詰め掛けた。フランス人監督のチーム同士の3位決定戦らしくスペクタクルな試合展開となった。まず先手を取ったのはガーナ、10分にスリー・ムンタリが先制点を決める。しかし、コートジボワールも反撃し、ブバカール・ソノゴが24分に同点ゴール、31分に逆転ゴールをあげる。試合はその後40分間近く得点がなく、終盤を迎える。終盤になってガーナが開催国の意地を見せる。70分にクインシー・オウス・アベイエが同点弾、この選手はアンダーエイジではオランダ代表だった選手である。80分にはジュニオール・アゴゴが逆転ゴール、こうなるとガーナの勢いを止めることはできない。85分にはハミム・ドラマニが4点目、ガーナは3位に滑り込んだのである。

■2大会連続6回目の優勝を果たしたエジプト

 そして翌日の2月10日に行われた決勝では空席の目立つメイン競技場でエジプトが1-0とカメルーンを下し、連覇を達成し、自らの持つ最多記録を更新する6回目の優勝を果たした。
 今大会はフランス以外の欧州のクラブだけではなく中東のクラブに所属する選手も多数参加したが、日本のクラブに所属する選手はおらず、かろうじて日本から派遣されてきた審判員が笛を吹いたくらいであった。しかし、かつてこの大会で活躍したフィリップ・トルシエ、ジャン・ポール・ラビエのように日本のチームで監督となるフランス人が出現するであろう。(この項、終わり)

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