第1350回 地殻変動、アフリカ選手権(1) フレッシュなメンバーが赤道直下に集結

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■偶数年の初めに開催されるアフリカ選手権

 今年はオリンピックイヤーである。ワールドカップイヤーと合わせて偶数年の初めのサッカーイベントがアフリカ選手権である。本連載でも継続して紹介しているが、フランスリーグにはアフリカ出身の選手が多数所属していること、そして多くのアフリカ出身、あるいはアフリカにルーツを持つ人々が多数フランス国内で生活していることから、アフリカ選手権はフランス国内では非常に大きな注目を集める。さらに、この大会は欧州のリーグ戦の最中に行われ、フランスリーグもその例外ではないことからチームによっては主力選手が1月近く離脱する中でリーグ戦を戦わなくてはならず、リーグ戦にも大きな影響を与える。このような理由によりフランスでアフリカ選手権は特殊な意味を持っていた。

■有力国が次々と予選で姿を消す

 「持っていた」と過去形で表現したのは、今回のアフリカ選手権がこれまでとは少々異なる様相を呈すからである。それはまず今回の出場国である。今回で28回目を迎えるアフリカ選手権であるが、開催国のガボンと赤道ギニアに加え、予選を勝ち抜いたボツワナ、コートジボワール、ブルキナファソ、セネガル、ギニア、ザンビア、リビア、ガーナ、アンゴラ、マリ、ニジェール、チュニジア、モロッコ、スーダンの14か国、合計16か国がアフリカ王者を目指す。
 この16か国の名前には前回優勝でこれまでに7回の最多優勝を誇るエジプト、アフリカの雄としてワールドカップで活躍してきたカメルーンやナイジェリア、2010年のワールドカップを開催した南アフリカなどのビッグネームがない。2010年のワールドカップにアフリカの代表として出場した5チーム(南アフリカ、カメルーン、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、アルジェリア)のうち、3分の2の南アフリカ、カメルーン、ナイジェリア、アルジェリアは予選で姿を消している。また、前回大会に続いて連続出場した国も8か国だけである。11グループに分かれた予選で第1シードとなった国の中で本大会出場を逃したのはエジプトの他、ナイジェリア、アルジェリア、カメルーンと大荒れの予選であった。

■赤道ギアナ、ボツワナ、ニジェールは初出場

 このようにこれまでのアフリカサッカーをリードしてきた強豪国が次々と予選落ちしたことは今大会の特徴である。逆に今大会が初出場となった国が赤道ギアナ、ボツワナ、ニジェールと3チームある。まず赤道ギアナは開催国として初出場を果たした。ボツワナは4チームで構成される予選で第4シードでありながら、第1シードのチュニジアを抑え堂々の首位で予選を突破した。そしてニジェールはグループDの第4シードであった。グループDはニジェール以外に第1シードのエジプト、第2シードの南アフリカ、第3シードのシエラレオネというメンバーがそろい、エジプトと南アフリカという強豪国が同居する厳しいグループであった。ニジェールはこのグループでホームは3戦全勝、アウエーは3戦全敗であり、勝ち点9で南アフリカ、シエラレオネと3か国が並び、2006年大会から3連覇中のエジプトは1勝2分3敗で最下位となってしまう。勝ち点9で並んだ該当国間の戦績で2勝2敗のニジェールは1勝2分1敗の南アフリカとシエラレオネを抑えて首位で本大会出場を勝ち取り、今大会予選の大きな驚きとなった。

■初出場国以外にもフレッシュなメンバーがそろう

 これまでの27回の大会で優勝経験のある国は13か国であるが、そのうち今大会に出場しているのはガーナ(優勝4回)、スーダン、コートジボワール、モロッコ、チュニジア(それぞれ1回)のわずか5か国である。3か国の初出場国以外に大会出場経験の少ない国の姿も目立つ。出場回数が1桁となるのは先述の初出場3か国に加え、リビア(3回目)、ガボン(4回目)、アンゴラ(6回目)、マリ(7回目)、スーダン、ブルキナファソ(以上8回目)と出場国の半数以上の9か国に上る。このようなフレッシュなメンバーが赤道直下の2か国に集ったのである。(続く)

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