第1920回 アルメニア、デンマークに連勝(1) 代表戦から5年間離れているラッサナ・ディアラ

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州選手権予選の最終節となる10月

 9月中旬から10月末まで6週間にわたって繰り広げられているラグビーワールドカップについて紹介してきたが、フランス国内ではラグビーを含むシーズンたけなわである。サッカーもリーグ戦ではパリサンジェルマンが予想通り首位を走っているが、2位はアンジェ、3位はカーンと意外な顔ぶれが首位争いをしている。
 そしてこのラグビーワールドカップ期間中にもサッカーの代表チームの試合が行われる。ラグビーワールドカップの時期はちょうど翌年に行われる欧州選手権の予選グループの最終戦と重なる。

■ディディエ・デシャンが選んだ23人

 フランスの場合、開催国として本大会出場のチケットを獲得しているが、緊張感にあふれる国もある。フランスは10月8日にアルメニア、11日にデンマークと親善試合を行う。この連戦に向けてディディエ・デシャン監督は10月1日に23人のメンバーを発表した。9月から11月にかけて2試合ずつ行う中で来年の本大会に向けた選手を選んでいくのがデシャン監督のミッションである。
 23人のメンバーは次の通りである。GKはスティーブ・マンダンダ、ウーゴ・ロリス、アルフォンス・アレオラ、DFはパトリス・エブラ、クリストフ・ジャレ、エリアキム・マンガラ、バカリ・サーニャ、ママドゥ・サコー、ラファエル・バラン、ブノワ・トレムリナス、クルト・ズーマ、MFはヨアン・カバイエ、ラッサナ・ディアラ、ブレーズ・マツイディ、ポール・ポグバ、モルガン・シュナイデルラン、ムーサ・シソッコ、FWはカリム・ベンゼマ、オリビエ・ジルー、アントワン・グリエズマン、アントニー・マルティアル、ポール・ジョルジュ・ヌテップ、マチュー・バルブエナ、というメンバーである。

■2010年夏以来代表の試合に出場していないラッサナ・ディアラ

 最大の驚きは5年間代表の試合に出場していないラッサナ・ディアラの代表復帰である。2007年に当時のレイモン・ドメネク監督に見いだされて代表入りし、コンスタントに試合に出場する。2008年の欧州選手権のメンバーに入ったものの、本大会では出場機会に恵まれず、今度は2010年のワールドカップを目指す。パトリック・ビエイラなき後の守備的MFとしてフランスの中盤を支え、南アフリカでの活躍も期待されていた。
 しかし、2010年にティーニュで行われた合宿で血液の病気で離脱してしまう。そして南アフリカでチームは内紛状態となり、惨敗する。ドメネク監督に代わって就任したローラン・ブラン監督の初陣は8月のノルウェーとの親善試合である。フランス協会はこの試合には南アフリカでのワールドカップメンバーを入れず、それ以外のメンバーで戦う。このメンバーの中にラッサナ・ディアラが選ばれた。
 災い転じて福となしたいラッサナ・ディアラであったが、この試合がラッサナ・ディアラにとって最後の代表戦の出場となった。その後も代表に招集されることはあっても試合に出場することはなかった。2010年時点ではスペインのレアル・マドリッドに所属していたが、2012年にロシアのアンジ・マハチカラに移籍、2013年には同じくロシアのロコモティフ・モスクワに移籍するが、2014年には所属するクラブがなくなってしまう。1年間のブランクを経て、今季マルセイユと契約、実に10年ぶりのフランス復帰となり、コンスタントにリーグ戦に出場、そして代表に復帰となったわけである。

■22歳のGK、アルフォンス・アレオラ

 そして今回唯一の初招集がGKのアレオラである。第1GKロリス、第2GKマンダンダという2人がこの数年間続いており、第3GKはチームのまとめ役となるベテラン選手が選ばれるケースが多かったが、最近はステファン・ルフィエなど中堅選手が選ばれている。フィリピンにルーツを持つアレオラは22歳、久しぶりに若いGKである。パリ生まれでパリ育ちのパリサンジェルマンの下部組織からプロ契約したが、サルバトーレ・シリグ、ニコラ・ドゥシェが控える中で試合に出場できなかった。アレオラはRCランス、バスティアへレンタル移籍し、出場機会をつかみ、今季はスペインのビジャレアルに移り、レギュラーの座を確保したのである。(続く)

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