第1682回 フランス、逆転優勝ならず(4) アイルランド優勝、ブライアン・オドリスコル有終の美

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■優勝目指すイングランド、イタリアに大勝

 今年の6か国対抗の最終日、3試合が行われるが、すべて異なった時間にキックオフされる。13時30分のイタリア-イングランド戦が終わり、15時45分からウェールズ-スコットランド戦、そして千秋楽結びの一番は18時からフランス-アイルランド戦である。前回の本連載で紹介した通り、優勝争いが得失点差の争いになる可能性も大きく、サッカーの場合であれば同時刻にキックオフとなるが、ラグビーの場合はワールドカップでもキックオフ時間をずらして、すべての試合をライブでみられるようなスケジュールとなっている。そして大トリとなるフランス-アイルランド戦は、それまでの2試合がどのような結果になろうとも優勝のかかった一番となる。
 ローマのオリンピックスタジアムに超満員の7万3000人の集まったイタリア-イングランド戦、フランスのファンとしてはイタリアの番狂わせを期待していたが、イングランドは着々と得点を重ね、前半24-6、後半28-5とイタリアを圧倒し、大勝する。これでイングランドは4勝1番乗り、総得点138、総失点65となり得失点差は+73となる。

■優勝が難しくなったフランス、アイルランドの優勝の阻止に注力

 アイルランド戦を控えたフランスは+3、すなわちアイルランドに70点差で勝利しなくては優勝できない。また、アイルランドはこの時点で得失点差は+81、つまり、フランスに勝利すれば、4勝1敗で並ぶイングランドに得失点差で上回り優勝となる。
 そしてフランスにとって気になるのは、ウェールズがスコットランドに51-3という記録的な大勝したことである。前節でイングランドに敗れ優勝争いから陥落したウェールズは3勝2敗で全日程を終え、得失点差を+43とプラスに転換した。
 超満員のスタッド・ド・フランス、フランスにとって優勝の可能性はほとんどないが、目の前のアイルランドの優勝を阻止したい。

■4人を入れ替えたフランス、アイルランドに先行

 フランスはナンバーエイトにダミアン・シュリーを起用、これまでこのポジションだったルイ・ピカモールはフランス代表で初めてフランカーを務め、フッカーもディミトリ・サルゼウスキーが先発する。またスタンドオフにレミ・タレス、センターにガエル・フィックーとスコットランド戦と入れ替わった4人はいずれも今年初めての先発となる。
 現在首位のアイルランドであるが、過去40年間、パリ、サンドニでフランスに勝利したのは2000年の1回だけと、フランスでの試合に苦手意識を持っている。試合は接戦となる。フランスは2分にペナルティゴールで先制、15分にも追加点で6-0とリードする。
 勝たなくては優勝できないアイルランドは21分にスタンドオフのジョナサン・セクストンが初トライ(ゴール失敗)、26分に右ウィングのアンドリュー・トリンブルがトライ(ゴール成功)、12-6と逆転する。しかしフランスは31分にフルバックのブリース・デュランがトライをあげ、マキシム・マシュノーのゴール成功で、13-12と逆転、ハーフタイムを迎える。優勝のかかった試合にふさわしい接戦となった。

■試合終了間際にアイルランドをゴール前にくぎ付けするも逆転ならず

 後半、先手を取ったのはアイルランドであった。46分にセクストンがこの日自身2本目のトライ、ゴールも決まって19-13と逆転、さらにフランスのモールでの反則で得たペナルティゴールをセクストンが決めて、22-13と差を広げる。このままアイルランドのリズムかと思われたが、フランスは意地を見せる。63分、ラインアウトからフランスは攻め込み、最後のトライはフッカーのサルゼウスキー、ゴールポスト横の位置からマシュノーがゴールを決め、20-22と2点差に迫る。
 ペナルティゴールあるいはドロップゴールで逆転という2点差、フランスはここから猛攻をかける。78分にはシュリーが右隅に飛び込むが、テレビマッチオフィシャルの判定により直前のパスカル・パペからのパスがスローフォワード、なおいもアイルランドをゴール前にくぎ付けにする。80分過ぎにアイルランドの22メートルラインをモールで突破するが、痛恨のオフサイドの笛。フランスは2点及ばなかった。ウェールズに得失点差で抜かれ、4位に沈んだ。
 5年ぶりに優勝したアイルランド、この試合で代表から引退するブライアン・オドリスコルは有終の美を飾ったのである。(この項、終わり)

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