第1919回 カナダに大勝、アイルランドとの決戦へ(2) カナダに快勝、決勝トーナメント進出を決める

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■カナダ戦の舞台、ミルトンキーンズ

 アイルランドとの決戦を前にした第3戦のカナダ戦、カナダ戦とアイルランド戦は中9日と今大会で最も長いインターバルとなる。フランスはグループリーグの第3戦以降の試合間隔は1週間が保たれていることになり、ベストメンバーでこれ以降の試合に臨むことが可能であるが、やはり相手との力量差を勘案してベストメンバーから何人かを入れ替えている。
 イタリア戦はトゥイッケナム、ルーマニア戦はオリンピックスタジアムとロンドンでの試合が続いたフランスは、このカナダ戦はミルトンキーンズ、そしてアイルランド戦はウェールズのカーディフに舞台を移して行われる。ミルトンキーンズのMKスタジアムは2007年に完成した近代的な競技場でショッピングセンターの中に立地する。

■イタリア戦に近いメンバーが先発

 この近代的なスタジアムのピッチに立つフランス代表の布陣は以下のとおりである。第1列は左からエディ・ベン・アルー、ギレム・ギラド、ラバ・スリマニ、第2列はパスカル・パペとヨアン・マエストリ、第3列はフランカーにティエリー・デュソートワールとベルナール・ルルー、ナンバー8はダミアン・シューリーという陣容。そしてハーフ団はスクラムハーフにセバスチャン・ティルズボルド、スタンドオフにフレデリック・ミシャラク、バックスはセンターにウェスレイ・フォフォナとマチュー・バスタロー、ウィングは左にレミ・グロッソ、右にブリス・デュラン、フルバックはスコット・スペディングとなる。
 イタリア戦、ルーマニア戦と比較するとイタリア戦でも先発したメンバーが11人に上るのに対し、ルーマニア戦で先発したメンバーは3人だけである。イタリア戦を基準にすると、FWでメンバー変更となったのはルイ・ピカモール1人、一方バックスはアレクサンドル・デュムーラン、ノア・ナカイタシ、ヨアン・ユジェの3人が外れた。イタリア戦で負傷したユジェは今大会からは離脱、その穴を埋める意味もあり、左のウィングに起用されたグロッソは代表初キャップとなる。そしてパラ、パぺ、ギラドは4年前のカナダ戦に出場経験がある。
 一方のカナダは前回の本連載で紹介したネイサン・ヒラヤマがスタンドオフに位置する。そして右のロックのジェミー・カドモアは37歳の大ベテラン、このフランス戦でワールドカップ出場13試合目となり同国のワールドカップでの最多出場記録となる。そしてカドモアはクレルモンに所属し、フランスのファンにはおなじみの選手である。

■立ち上がりから攻めたフランスに対し、カナダも反撃し、追い上げる

 この試合は立ち上がりからフランスが猛攻を仕掛ける。4分にフランスはカナダのタックルミスもあり、ミシャラクがフォフォナにパスをし、トライする。好パスを出したミシャラクがゴールも決めて7-0とリードする。ミシャラクはティエリー・ラクロワの持つワールドカップでの得点記録124に並んだ。その後ペナルティゴールで加点したフランスは29分にゴール前のモールからフッカーのギラドがトライしゴールも決まり17-0とリードを広げる。カナダも31分、35分とトライを決めて、フランスのリードは17-12と5点差に縮まってしまう。30分過ぎからカナダの時間帯となりフランスにとっては我慢の時間となるが、38分にフランスはラインアウトからプロップのスリマニが今大会2本目となるトライをあげ、ゴールも決まり、24-12とリードを保って後半を迎える。

■レミ・グロッソ、代表デビュー戦でトライをあげる

 後半に入ってもフランスはカナダに2本のペナルティゴールを決められ、24-18と6点差に詰め寄られるが、59分にミシャラクのパネルティゴールで一息つくと、67分には相手ゴール前のラインアウトからパぺがトライ、ミシャラクに代わって入ったレミ・タレスがゴール成功、34-18と差をつけると、74分には代表デビュー戦のグロッソがトライをあげ、フランスはトライ数によるボーナスポイントを獲得、さらにティルスボルドに代わって入ったモルガン・パラがゴールを決め、41-18と快勝する。
 フランスはこれで3連勝、8月から通算して5連勝となり、フィリップ・サンタンドレ監督になってから初めての5連勝となったのである。(この項、終わり)

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