第3135回 ワールドカップイヤーの6か国対抗に臨むラグビーフランス代表

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■13連勝でワールドカップイヤーを迎えたフランス

 カタールでの熱狂から1月、本連載で紹介した通り、フランスではリーグ戦も再開し、フランスカップも例年通り、年明けに1部勢が参戦した。2月中旬にはチャンピオンズリーグなどの欧州カップの決勝トーナメントが始まり、欧州のサッカーカレンダーは通常モードに戻った。
 そして今年はフランスでラグビーワールドカップが開催される。若手選手が順調に成長し、16年ぶりの自国開催では優勝を狙っている。
 9月からのワールドカップを控え、ラグビーの世界でも通常モードのスケジュールで2月4日から3月18日までは6か国対抗が行われ、フランスは2月5日のイタリア戦で1年が始まる。本連載でも紹介した通り、昨年の6か国対抗でフランスは12回目のグランドスラム(全勝優勝)を果たし、その後の夏の日本遠征で連勝、秋には国内で豪州、南アフリカ、日本に3連勝、ワールドカップの前年の2022年は10戦全勝、前年から通算して13連勝を飾っている。

■6か国対抗に臨む42人のメンバー

 この勢いで迎えたワールドカップイヤーの6か国対抗、このシリーズに臨む42人のメンバーが1月17日に発表された。
 プロップはウイニ・アトニオ、シリーユ・バイユ、ダニー・プリソ、シピリ・ファラテア、モハメド・アウア、レダ・ワルディ、フッカーはガエタン・バルロ、テディ・ボービニー、ジュリアン・マルシャン、ロックはチボー・フラマン、バスチャン・シャルロー、トマ・ジョルメス、トマ・ラボー、ロマン・タオフィフェヌア、ポール・ウィレムス、バックローはグレゴリー・アルドリット、ディラン・クレタン、シャルル・オリボン、アレキサンドル・ベコネー、ポール・ブーダン、ヤクーバ・カマラ、フランソワ・クロ、アントニー・ジェロンチ、セクー・マカルー、ここまでの24人がFWである。
 スクラムハーフはアントワン・デュポン、レオ・コリー、ノラン・ルギャレック、スタンドオフはロマン・エンタマック、マチュー・ジャリベール、アントワン・ハストワ、センターはヨラム・モエファナ、ガエル・フィクー、ピエール・ルイ・バラシ、エミリアン・ガイユトン、ジュリアン・デルブイ、エタン・デュモルティエ、ウイングはルイ・ビール・ビアレイ、マティス・ルベル、ダミアン・プノー、フルバックはメルバン・ジャミネ、ロマン・ブロス、トマ・ラモスという18人がバックスとなる。

■主将を務めるアントワン・デュポン

 実質的に今回がワールドカップのメンバー選考の数少ない機会である。昨年の夏の遠征は前シーズンに出場時間の多かった選手はメンバーから外し、秋の3連戦は負傷者が出た。秋の時点では負傷でメンバーに入っていなかったジャミネ、ボキ、ウィレムスがカムバックしてきた。1月初めに負傷したアトニオもメンバーに入った。また、現在世界一のハーフ団と言われるデュポンとエンタマックのコンビも楽しみである。特にデュポンは主将に任命され、そのリーダーシップには注目したい。
 一方、キャメロン・ボキ、マキシム・ルクなどが発表時点における負傷者でメンバーには入っておらず、今後も所属クラブ等での負傷の影響があるかもしれないが、ほぼベストメンバー、この中でのポジション争いに注目である。

■代表未経験者は4人が選出

 このような厚い層を誇る中で、今回もファビアン・ガルティエ監督は新戦力を招集した。フランス代表歴がないのはコリー、デルブイ、デュモルティエ、ビール・ビアレイの4人である。コリーは昨季はモンドマルサンに所属し、2部の最優秀選手となった。デルブイはアンダーエイジの代表として活躍し、2020年のオータムネーションズカップでは試合には出場しなかったがメンバーに招集された。7人制の選手として活躍したデュモルティエは昨秋、15人制の代表入りを果たした。
 そして4人の中で唯一代表初招集と言うのがビール・ビアレイである。いずれも20代前半であり、ワールドカップに出場できるか、楽しみにしたい。(この項、終わり)

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