第3262回 予選プールを首位突破したフランス(1) テストマッチ初対決のウルグアイに苦戦

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■ニュージーランド戦勝利で優位に立ったフランス

 自国開催で優勝を狙うラグビーワールドカップ、9月8日の開幕戦でニュージーランドを破り、一気に期待は高まった。
 フランスは予選プールAに入り、8日にスタッド・ド・フランスでニュージーランドと対戦したのち、14日にリールでウルグアイ、21日にマルセイユでウルグアイと対戦し、10月6日にリヨンでイタリアとの最終戦を迎える。
 予選プールAはフランスとニュージーランドの力が突出しており、フランスは残り3試合は決勝トーナメントを見据えながら戦うことができる。特にウルグアイ、ナミビアとは力の差は明白であり、このアドバンテージをどのようにフランスが活用するかかが注目の的であったが、誤算が続いた。

■ウルグアイ相手に第1戦と大幅にメンバーを入れ替えたフランス

 まず、ウルグアイ戦、これがフランスとウルグアイの公式なテストマッチとしては初めてとなる。キャップ対象外の試合としては1960年と1985夏のアルゼンチン遠征の際にそれぞれ対戦しており、1960年は61-0、1985年は34-5といずれもフランスが大勝している。ウルグアイは前回のラグビーワールドカップでフィジーを破ったことは記憶に新しいが、世界ランキング17位である。
 フランスはメンバーを大幅に入れ替える。FW第一列はジャン・バティスト・グロ、ピエール・ブルガリ、ドリアン・アルデゲリ、ロックはカメロン・ボキとロマン・タオフィフェヌア、フランカーは左にポール・ブーダン、右にセクー・マカルー、ナンバーエイトはアントニー・ジェロンチとなる。ハーフ団はスクラムハーフにマキシム・ルクー、スタンドオフはアントワン・ハストワ、スリークォーターバックスは左からガバン・ビリエール、ヨラム・モエファナ、アルトゥール・バンサン、ルイ・ビール・ビアレイ、フルバックはメルバン・ジャミネとなる。ボキ、ビリエール、モエファナの3人だけがニュージーランド戦に先発出場しており、12人が入れ替わった。ゲームキャプテンはジェロンチが務める。

■ニュージーランド戦に続き、トライを先に奪われる

 試合前の国歌演奏は子供たちのコーラスが不評だったことから、この試合から伝統的な国歌演奏か、子供たちのコーラスかを選択することができたが、フランスは子供たちのコーラスを選択した。両国国歌演奏の後、モロッコとリビアでの災害の犠牲者に対する黙祷が行われ、ハストワのキックオフで試合が始まった。
 開始早々、フランスはラックでウルグアイの反則を誘い出す。これをジャミネが決めて3点を先制した。ところが6分にウルグアイはラインアウトから縦に突進し、チャンスをつかむ。スタンドオフのフェリペ・エチェベリのキックパスが見事に決まり、左隅にニコラス・フレイタスがジャミネのタックルを受けながらトライをあげた。ゴールは失敗したものの、フランスは2試合連続で先にトライを決められた。ただ、この時点でフランスはあわてなかった。11分にルクーからのパスを受けたハストワがそのまま持ち込んでトライ、ハーフ団のコンビネーションで逆転し、ジャミネが難しい角度からのロングキックを決めて10-5と逆転した。さらにジャミネはペナルティゴールで3点を追加、得点差を広げた。

■逆転後も点差を広げることのできないフランス

 しかし、27分にタオフィフェヌアがハイタックルでイエローカード、10分間の一時退出となり、ウルグアイの時間帯になってしまう。32分のフランスゴール前でのスクラムはフランスに反則があったもののアドバンテージで試合続行、ウルグアイがトライをあげたかに見えたが、オブストラクションの反則でトライは取り消しとなる。13-5という8点差で後半を迎える。
 後半になってもフランスは苦しい戦いが続いた。48分にスクラムでのウルグアイの反則から得たペナルティゴールのチャンス、ジャミネはこれを外す。フランスはウルグアイゴール前で攻め、トライかと思われたがジェロンチの空中でのノックオンでこれも取り消され、なかなか、得点差を広げることができないのである。(続く)

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