第3265回 予選プールを首位突破したフランス(4) 決勝トーナメント進出がかかるイタリア戦

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■プールAの最終戦となるフランス-イタリア戦

 フランスはニュージーランド、ウルグアイ、ナミビアと3連勝し、予選プール最終戦を迎える。最後の相手はプールAでフランス以外唯一の欧州勢のイタリアである。フランス-イタリア戦はプールAの最後にキックオフされる試合、すなわちフランスはプールAにおいて最初に試合を行い、最後に試合を行うという余裕のあるスケジュールである。他方、イタリアはナミビア、ウルグアイという格下のチームとの対戦から始まり、暫定的にトップに立ったこともあるが、ニュージーランドには17-96と大敗を喫している。

■決勝トーナメント進出をかけた直接対決

 ここでプールAの最終戦を迎える時点の順位を確認しておこう。首位は全日程を終えたニュージーランドである。開幕戦でフランスに差をつけられて敗れながら、ナミビア、イタリア、ウルグアイに大勝、3試合でボーナスポイントをあげて勝ち点15となっている。2位はフランスで勝ち点13、ボーナスポイントを獲得したのはナミビア戦だけである。そしてイタリアは勝ち点10で3位となっている。すなわち、イタリアはフランスに勝利し、フランスにボーナスポイントを与えなければ、少なくともフランスを交わして2位に入ることができる。その場合、フランスは予選プールで敗退となってしまう。

■今大会、リヨンでの最終戦

 近年の6か国対抗のイタリア戦での勝利は継続しているものの、イタリアのチームの成長度を考えれば、決して侮れない相手である。さらにフランスはチームの精神的支柱である主将のアントワン・デュポンがナミビア戦で危険なタックルを受けて顔面を骨折したため、メンバーから外れている。
 フランスとイタリアは10月6日21時にリヨンのグルーパマ競技場で対戦した。今大会の会場でスタッド・ド・フランス、ベロドローム競技場についで3番目に収容人員が多いが、サッカーのチームのリヨンの本拠地でもあり、使用されるのは9月最後の週末2試合(27日のウルグアイ-ナミビア戦、29日のニュージーランド-イタリア戦)と10月最初の週末2試合(5日のニュージーランド-ウルグアイ戦、6日のフランス-イタリア戦)の4試合だけである。今大会の開催地で地元に強豪のラグビーチームがあるのはトゥールーズとリヨンくらいである。サンドニにあるスタッド・ド・フランスは近郊まで含めるとラシン92、スタッド・フランセというチームがある。このリヨンではこのフランス-イタリア戦が最後の試合となる。
 両チームにはリヨンに所属している選手がおり、フランスのバティスト・クイユーはベンチからのスタート、イタリアのモンタナ・イオアネは右ウイングとして出場する。

■アントワン・デュポン不在時の主将を務める元主将のシャルル・オリボン

 フランスの先発メンバーはFW第一列はシリーユ・バイユ、モーバカ、ウイニ・アトニオ、ロック陣はカメロン・ボキ、チボー・フラマン、フランカーはアントニー・ジェロンチとシャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリットである。ハーフ団はマキシム・ルクとマチュー・ジャリベール、スリークォータバックスは左からビール・ビアレイ、ジョナタン・ダンティ、ガエル・フィクー、ダミアン・プノー、フルバックはトマ・ラモスという布陣である。
 ナミビア戦と比べると、負傷のデュポンが外れ、ルクが入ってきたことと、フランカーのフランソワ・クロに代わってナンバーエイトのアルドリットが入ってきてナミビア戦ではナンバーエイトを務めていたジェロンチがフランカーに回っただけである。
 デュポンが不在となり、オリボンが主将を務める。オリボンは前回のワールドカップが終了してから最初の試合である2020年の6か国対抗の開幕戦のイングランド戦で初めて主将を任される。実はこの試合はオリボンにとって6か国対抗で初めての先発メンバーとしての出場であったが、トライをあげ、勝利に貢献した。その後、負傷により長期離脱したが、デュポンがメンバーから離れた昨年の日本遠征では主将を務めた。デュポン不在時の大役が回ってきたのである。(続く)

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