第3155回 ヨーロッパリーグのフランス勢の戦い (2) アウエーの第1戦は1勝1分1敗

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ビッグネームのそろうユベントス、ナント相手に先制

 ヨーロッパリーグの決勝トーナメントにはフランスから3チームが出場したが、その中でも最も注目を集めたのが27年前にチャンピオンズリーグの準決勝の再戦となったナントとユベントス(イタリア)の顔合わせである。第1戦は2月16日、ユベントスの本拠地アリアンツ競技場で行われた。両チームにとってワールドカップが終わってから最初の国際試合となるわけであるが、ユベントスは負傷でワールドカップに出場しなかったポール・ポグバが復帰するのではないかと予想されたが、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督はポグバをベンチ入りさせず、この試合の直後のリーグ戦のトリノとのトリノダービーに照準を合わせているようである。しかし、ユベントスの先発にはアドリアン・ラビオ、レアンドロ・パレデス、アンヘル・ディマリアとフランスでも活躍したビッグネームが名を連ねた。
 試合は戦力に優るホームのユベントスが優位に進める。そしてユベントスは13分にディマリアが左サイドにいたフェデリコ・キエーザにパス、これをキエーザが折り返して中央のドゥシャン・ブラホビッチが左足でシュート、ユベントスは大量点の予感のする先制点であった。白と黒の縦縞のユベントスが黄色のナントを圧倒し、その後もディマリア、パレデスが惜しいシュートを放つが、追加点を奪えないままにハーフタイムを迎えた。

■カウンター一発で追いついたナント、アディショナルタイムのピンチも救われる

 後半もユベントスのペース、ナントはカウンター攻撃に活路を見出す。60分、自陣ゴールからナントは最前線のムスタファ・モハメドにボールをつなぎ、ルドビック・ブラにボールを返す。ブラは左足で強烈なシュート、カウンター一発で同点に追いついた。直後にユベントスは勝ち越しの好機をつかむが、キエーザのシュートはクロスバーに当たるものの、ゴールインせず。後半のアディショナルタイムにナントのゴール前でユベントスのグレイソン・ブレーメルとナントのセバスチャン・コルシアが競り合い、コルシアの手にボールが当たったように見えたが、VARの結果、ハンドを取らず、逆にユベントスのファウルとなった。ナントはアウエーでの第1戦を1-1のドローに持ち込んだのである。

■アウエーで勝利したモナコ

 そしてフランス勢で勝利をあげたのがモナコであった。直前のリーグ戦のパリサンジェルマン戦にも勝利したモナコはアウエーでバイエル・レバークーゼン(ドイツ)と対戦する。直前にリーグ戦を戦ったばかりということでモナコはウィッサム・ベンイェデル、エリス・ベンセギルなどをベンチにおいてキックオフを迎える。他方、先発した南野拓海、ブレール・エンボロは欧州の舞台で成果を残したいところである。9分にはそのエンボロがプレスをかけてバイエル・レバークーゼンのGK、フィンランド代表のルーカス・フラデツキーのオウンゴールを誘いだし、モナコが先制する。モナコも追加点のチャンスがあったが、汚名返上とばかりにフラデツキーが好セーブを連発する。試合は次第にホームのバイエル・レバークーゼンが優勢となるが、前半はモナコが1点リードして折り返す。
 後半の立ち上がりにバイエル・レバークーゼンはムサ・ディアビが同点ゴール、59分には19歳のフロリアン・ビルツが逆転ゴールを決める。しかし、ベンセギル、ベンイェデルを投入したモナコは74分にクレパン・ディアッタのゴールで追いつき、後半アディショナルタイムの92分にはアクセル・ディザジが決勝点をあげ、アウエーで3-2と勝利した。

■ワルシャワでのホームゲームで初勝利をあげたシャフタール・ドネツク

 そしてフランス勢で唯一敗れたのがレンヌである。レンヌの相手はウクライナのシャフタール・ドネツク、ロシア侵攻の影響でホームゲームをポーランドのワルシャワで戦う。ホームゲームでは1分2敗ながらアウエーゲームで1勝1分1敗となり、3位に入る。そしてこのプレーオフもワルシャワでのホームゲームとなる。
 ただ、今季のレンヌはアウエーゲームを苦手としており、シャフタール・ドネツクに前半に2点を奪われる。後半にはってカール・トコ・エカンビが1点を返したものの、同点に追いつくことはできなかった。シャフタール・ドネツクはワルシャワでホーム初勝利をあげることができたのである。(続く)

このページのTOPへ