第1157回 2010-11欧州カップ開幕 (4) リヨン、ラウルが新加入のシャルケ04に勝利

■上位シードになったリヨンとマルセイユ

 前回までの本連載では今季の欧州カップの本戦にチャンピオンズリーグはマルセイユ、リヨン、オセールの3チーム、ヨーロッパリーグにはリールとパリサンジェルマンの2チームが出場することを紹介した。
 その本戦は9月14日から始まった。13日には東京で開催されていた柔道世界選手権の無差別級の決勝でテディ・リネールが地元の伏兵の上川大樹に微妙な判定で敗れており、国中が沈んだ中でのチャンピオンズリーグのグループリーグ開幕となった。
 さて、グループリーグの組み合わせは8月26日に行われたが、例によって参加32チームを8チームずつの4つのシード順にわけ、リヨンは第1シード、マルセイユは第2シード、オセールは第4シードとなった。リヨンはグループBでベンフィカ(ポルトガル)、シャルケ04(ドイツ)、ハポエル・テルアビブ(イスラエル)と戦い、マルセイユはグループFでチェルシー(イングランド)、スパルターク・モスクワ(ロシア)、ジリナ(スロバキア)と争う。

■優勝経験チームと戦うオセール

 この2チームはシード順に応じて妥当な組み合わせとなったが、死のグループに入ってしまったのがオセールである。第1シードのACミラン(イタリア)、第2シードからレアル・マドリッド(スペイン)、第3シードのアヤックス(オランダ)と、いずれもチャンピオンズリーグ(前身のチャンピオンズカップを含め)を複数回制覇しているという強豪と対戦することになった。レアル・マドリッドは9回優勝、ACミランは7回優勝、アヤックスは4回優勝し、3チーム合計で20回の優勝を誇り、これまでのチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)の優勝回数の半分近くを占めることになる。マルセイユ、リヨンが対戦するチームの中でチャンピオンズリーグ(チャンピオンズカップ)を獲得しているのはベンフィカが2回あるだけである。

■11年連続出場のリヨン、リヨンと相性の悪いラウル

 そしてフランス勢の先陣を切って登場したのがリヨンである。昨季は国内リーグでは王座に復帰することはできなかったが、チャンピオンズリーグではチームとして過去最高のベスト4に進出したことは記憶に新しい。リヨンは今年でチャンピオンズリーグに11年連続出場となる。この連続記録をしのぐチームはマンチェスター・ユナイテッド(15年連続)、レアル・マドリッド(14年連続)、アーセナル(13年連続)だけである。リヨンは過去10回の本戦出場のうち8回グループリーグを突破しているにもかかわらず、準決勝に進出したことは昨季だけである。
 このリヨンにとって昨季の準決勝進出は大きな自信になるはずであり、初戦のシャルケ04戦を迎えた。シャルケ04の最大のスターは今季レアル・マドリッドから移籍してきたスペイン人のラウルであろう。レアル・マドリッドの至宝として活躍してきたラウルがこれまでにチャンピオンズリーグであげた得点は実に66であり、通算最多得点者である。しかし、ラウルはレアル・マドリッド時代にリヨンと4回対戦し、2分2敗と勝利をあげたことがない。さらにリヨンでは2戦2敗である。

■リヨンで成長したミッシェル・バストスの得点で第1戦勝利

 そのラウルにとって相性の悪いリヨンのジェルラン競技場で、グループリーグは開幕した。ラウル自身も左サイドで先発出場、試合はシャルケが主導権を握ったかに見えた。
 しかし、先制点はリヨンであった。28分にブラジル代表のミッシェル・バストスが先制点をあげる。今回のワールドカップでも活躍したバストスであるが、ブラジル代表のデビューはすでにワールドカップ予選が終わった昨年10月のことである。バストスは昨季初めにリールからリヨンに移籍しており、リヨンに移った段階では代表歴はなく、初めてのタイトルマッチはシーズン終了後のワールドカップ本大会であった。リヨン移籍後に成長した選手であると言えよう。
 その後、シャルケ04は退場者もあり、リヨンが危なげない試合でこの1点を守り切って8年連続のグループリーグ突破へ幸先の言う第一歩を踏み出したのである。(続く)

このページのTOPへ